カゼカオル【Red】 (ページ10)

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10．めんどくさい２人ページ10

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あかん、帰る、ごめん、無理。

マイナスの言葉を並べて家に入ろうとしない

薫さんを引っ張って、玄関のドアを閉める

「…薫さん、の、ばかっ」

「…すまん」

「謝る、なっ」

「…すまん」

止まれ

止まってよ、涙

「…迷惑とか、思ってないっ」

確かに怖かったし、嫌だったし

不安で不安で仕方なかった

でも

いなくなっていいとか

そんなこと、私、言ってない

それなのに

薫さんの帰る場所が

ここになってほしいだなんて

言える自信も、ない

「…A、聞いて」

「、」

「えぇから。聞け」

ふわりと

きつめのお酒の匂いと

温かい薫さんの腕に包まれる

ぐっと胸の辺りからこみあげた何かが

雨粒みたいに涙を落としてく

「俺は。…俺は、お前が大事やし、イエローとか他の男に取られたないし、

できればずっと俺のもんに………俺の隣に、おってくれたらえぇなって、思ってる」

「…ん、」

「せやけど、…俺はヒーローで、危ない目にあうし、あわせてまうかもしれへん。

それでも、…それでもえぇなら、」

俺、お前にふさわしい男になるから。

「せやから、A」

「、」

「…あんま、泣かんとって」

溢れた涙が

高鳴る鼓動が

絡まる指先が

「…好きや」

触れた唇が

熱い

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