カゼカオル【Red】 (ページ3)

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３．憂鬱なサンデーページ3

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夜になって

外が真っ暗になっても

薫さんは帰ってこない

…当然か

”今日はここにおれ”って言われたから

大人しくそうすることにしたけど

「…あ、の」

「ん？」

「…薫さん、帰ってきましたか？」

「ぇ？…あー、」

朝になって

お日様がのぼっても

薫さんは帰ってこない

「思いのほか手こずってんなぁ…」

「ぇ？」

「まぁ、しゃぁないやろ。

自分もヒーローの女やったら気をつけなあかんで」

「ぇ、え？」

「それにしても、レッドに女がおったなんて…」

「ほんま、意外でしたねぇ」

「…あ、あのっ、」

「ん？どないしたん？」

昨日からお世話をしてくれてる

綺麗な肌の男の人

薫さんとは対照的に

よく笑うし、わりと優しい

そして、なぜか朝起きたらいた

通販会社のCMの人と

最近よく見るロック歌手

「…ぁの、みなさんと薫さんの関係って」

「関係？」

「別に、ただのヒーロー仲間やけど」

「でも、わりと友達みたいなもんかな？」

「何や。レッド、俺らの話とか全然せぇへんの？」

「…全然っていうか、」

今、初めて聞いた

”ヒーロー”って、何？

”レッド”って、どういうこと？

「何や、自分知らんの？あいつもエイトレンジャーやで」

「…えいと、れんじゃー」

「えぇ～、彼女の前ではカッコつけってやつですか？

何やずるい～」

「にしても、何か言うやろ、せめて」

その通りだ

仕事の話を一切しないから

実は無職なんじゃないかって

思ってたときもあったけど

まさか、ヒーローだなんて

さすがに思わない

でも確かに

たまにケガをして帰ってくるのも

ヒーローなら納得できる

「…ぁの、じゃぁ、何で私をここに」

「あれ、それも聞いてへんの？」

「あー…、ちょっと言いにくいんやけどな？

レッド、ヒーローの仕事で

チンピラから恨み買ってもうてん。

そいつらに、Aさんの家に入ってくのを見られてもうて、」

「ま、簡単に言うと弱み握られてもうたってこと」

「…よわみ、」

それって

私、知らないうちに

知らない人たちに

狙われてたってこと？

「まぁ、レッド強いから。

そない心配せんでも、すぐ帰ってくるって」

「…そう、ですね」

薫さん

私、薫さんのこと

信じてるつもりなのに

薫さんはどうして私に

何も話してくれないんですか

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