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「あべちゃん、あべちゃーん！」
もう少しで持ち帰った仕事が終わる頃、真正面から声を掛けられハッとする。
だいすけの方を向くとこちらを向いて座っていて。
…れん、なんで仰向けで死んでるみたいになってんだ。
「おなかすいたー」
「ん、ああ、もう３時だね。ごめんごめん。今用意するね」
「おやつ……」
お腹が空いて動けなくなって寝転がっていると気付き、すぐにパソコンを片付けてキッチンへ向かう。…んー、おやつ、何かあったかな。
冷蔵庫の中には何かありそうにも無くて、戸棚を開けてみる。
先日買っておいた袋菓子が残っていて、すぐにお皿に乗せる。
「よし、みんな座ってー」
「れん、おやつだぞ！」
「うごけない」
そう言いつつしっかり起き上がってテーブルまで歩いてくるれんと、だいすけ。
テレビを見続けるひかる。夢中になりすぎて俺の声が聞こえていないらしい。
「ひかるー、おやつだよ」
「…うん、」
「…？今日チョコレートなんだけど、あんまり好きじゃない？」
「……！」
そう言うと肩がピクリと動いてこちらを向く。その目はいつもと様子が違った。お皿を見せると、とことことこちらに来て静かに座る。その様子から、あることに気付く。
「ひかる、チョコ好きなの？」
「…べつに、」
「…ふふっ、…食べていいよ、はい。」
満足そうに微笑むれんと、必死に頬張るだいすけ。
いつの間にかチョコを口に含んで、ゆっくり噛みしめるひかる。
少し俯いて、そうして少し微笑む。俺の目を見たら恥ずかしそうにそっぽ向いてしまったけど。
「美味しい？」
「…ん。……また、たべたい」
「ふふ、…また今度買ってくるね、？」
そう言うと、初めて俺にちゃんと笑顔を見せてくれて。
…うん。少し大人びた子かな、って思ってたけど、こういうところはしっかり子供だ。
「あべ、たべないの？」
「ん？もう無くなっちゃったから、俺は大丈夫だよ」
「……くち、あけて」
そう言われ口を開ける。
多少強引に口に突っ込まれたチョコレートは、甘いイチゴの味がした。
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続く (更新停止中)
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おれん。 - めっちゃくちゃおもろいです！マジで続き楽しみ！更新頑張ってください！ 期待してます！めめ可愛すぎる… (2022年10月9日 23時) (
レス) @page10 id: 67bfb56258 (このIDを非表示/違反報告)
虹色しっぽ - 楽しく見させてもらいました！更新頑張ってください！ (2021年8月24日 18時) (レス) id: 779b4574fe (このIDを非表示/違反報告)
Yuri - 更新、楽しみに待ってます！頑張って下さい！！ (2021年3月20日 0時) (レス) id: 2467065cee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雪 | 作成日時：2021年3月5日 15時
