君に恋した49日間。 (ページ2)

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「ちょ、そんな触らんでよー
なんか照れるやん」

『え、なんでこんなに冷たいの？
そんな薄着だから冷え込んでしょ？違うの？』

もう何がなんだか分からないし、目の前にソレがいるだなんて信じたくない私は、どうにかこの目の前人がソレじゃないという証拠を探し出す。

「だから、死んでるからって言うたやん？
それにほら、…心臓も動いてへんやろ？」

そう言って私の手を取り、自分の胸に当てる。
確かに男の人が言う通り、心臓は動いてない。
信じたくないけど目の前のソレは、本当にソレらしい…。

「まあ、信じたくもないよなー
いきなり僕死んでるんですなんて言われたら…」

そう言って、苦笑いをして男の人はまた言う。

「でも、本当なんだよ。
この世に未練があると、成仏できないんやって。」

「…あと、49日間しか残ってないんやってさ。」

『え…それって、その49日間を過ぎても成仏できなかったら…』

「そしたら、この世で永遠と彷徨い続ける、地縛霊として。」

でもそれも楽なもんじゃないんよ、天国にいけないんやからね、とまた苦笑いをする男の人

今まで、実際に目には見えなかったから、そんな話信じてもいなかったけど、今実際に見てしまってるとそれも信じざる負えない。

「…まともに恋愛なんてしてこなかった。
だから、せめて少しの間でも誰かを愛してみたい
んだよねー。
…本気の恋がしてみたい。」

正直、幽霊と恋愛だなんてしたくないし、うまく行きっこないと思う。
ただ、時折見せるその苦笑いが凄く切なくて
放っておけないそんな気持ちになった。
死にたくて死んだわけじゃないのに、やりたいこととも夢も叶えられないまま人生が終わる気持ちって測り知れないなってすごく胸が痛くて涙が出る。

「そんな顔せんでよー…
…優しいんやな。」

ぽんぽんと、優しく頭を撫でる男の人の顔は
凄く優しくて、冷たい手のはずなのに何だか温かく感じた。
そんな人にさっきまで怖がっていた自分が凄く恥ずかしく思えてきて、

『いいですよ、私で良ければ…
その…お付き合いして「本当…？！え、本当にいい
ん…？」

凄く表情が豊かだなって男の人を見てると、自然に笑顔が零れて可愛い人だなって、少しだけ男の人の事を知れた気がして嬉しくなった。