転生した先で会おうね。【暗黒神エンマ】

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『ここだよ』
Aは祠の中に入るなり、震える声でそう言った。
「ここに、山の神が…？」
「呼ぶか…」
時空神の冷静さは見習うべきなんだろうか。
「時空神、どうやって呼ぶ気だ？」
『呼ぶよりも、私が呼ぶしかないけど』
話を遮るようにAが言う。
Aは祠の前まで歩き、座り込んだ。
そして、両手を合わせた。
この景色を見ていると、何かを思い出す。
仏壇の前でよくやる、この仕草。
オレはしたことがないけど、人間達はやるそうだ。なんでも、祖先の為とか。
眺めていると、突然目の前が光った。
思わず、目を手で覆った。
光は引いて来て____。
光と共に誰かが現れた。
身長はオレ達より少し高い。
長い緑の髪に、緑の目。そして、黄色を基調とした着物。
まあ…自然神によく似ているな。あいつの髪の色はベージュみたいな色だし、緑を基調とした着物に赤い模様みたいなのが付いているが。
【我を呼んだのは、貴様か】
重く低い声が響いた。
『ええそうです』
山の神を相手にしているのに、Aにとってはなんてことないようだ。
声から、落ち着いていることがすぐにわかる。
【貴様は…あの祖先の孫だな？】
山の神の目がゆっくりと閉じられる。

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