転生した先で会おうね。【暗黒神エンマ】

12 ページ12

長い年月が経った。
オレ達三人で決めたことは、忘れてはいなかった。
周りは、四季を巡っていった。
桃色の桜が彩り、雨が地面を潤し、真夏の太陽が照りつけ、秋の紅葉が地を染め、白い雪が積もった。
四季は何にも縛られることなく、くるくると回り続けていた。
自由気ままに。


そしてまた、恋仲ができる。
しかも、偶然とは思えなかったことがあった。Aだったからだ。
まあ、生き返った時点で察してはいたが。
時空神と太陽神は妖怪の時の姿でオレは、人間に化けた時の姿でいる。
何かあったら、時空神と太陽神で止める。
オレは、Aを安全な場所へ逃すことを役目として背負っている。


『今日はいい天気だね』
「だな」
あの交差点。さくら中央シティに向かう前の交差点。
ここで一回、Aは轢かれた。
信号を無視したトラックのせいで。
オレはあの光景を覚えている。忘れるわけもない。
赤から青に変わり、オレ達が歩いた瞬間から始まっていた。
トラックが来ていた。
「「さあ、頼んだぞ暗黒神！」」
時空神が時間をゆっくりにした。
オレはAの手を引き、走り出す。
太陽神は、トラックの前めがけて結界を張った。
動き出さないように。
『きゃっ！？』
「今すぐ逃げるぞ！」
驚くAの手を引っ張り、走った。

13→←11

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す