Friend or Best Friend

優しい時間 ページ16

目が覚めてすぐ携帯を見たら


俺が夜送ったメッセージに既読がついてた。




だけど返信はない。



ヒョンジン、怒ってるよなぁ。。。





隣を見るとスンミンは先に起きてたみたいで


キチンと布団を畳んである。




律儀で、本当に真面目な性格なんだろう。






(ヒョンジンは布団なんか畳まないのに)







他人の部屋に居ること自体が不思議。




スンミンが通ってるN高の制服と教科書が


やたら新鮮に見えてくる。




サインボールが棚に１つ飾られてるから


もしかして野球が好きなのかな。







SM「あ、おはよう。
ちゃんと眠れた？」



「うん」



SM「シャワーしてきなよ。
タオル出しておいた」



「ありがとう。借りるね」







スンミンの家から俺の家は離れてるから


さっさと準備してバスに乗る必要がある。




一回家に帰って教科書だけ入れ替えて


それから……





ヒョンジンは、迎えにくるのか？





いや、


きっと来てくれないだろ。



もしかしたらしばらく俺を避けるかも。




仕方ない事だ。





シャワーから出るとキッチンに居るスンミンと目が合った。




優しく微笑むスンミンに


俺も少し、笑って見せる。







SM「座って。コーヒー入れたから」



「ん、ありがとう」



SM「学校行けそう？」



「うん。大丈夫だよ」



SM「何かあったら電話して。
すぐに行くから」







昨日ヒョンジンに握られた手首は


まだ赤くなってて


スンミンが優しくそこに触れた。





なんでこんなに緊張するのか分からないけど


スンミンは俺にとって


ヒョンジンとイエナ以外の初めての友達だから




だから緊張しちゃうのかな。







SM「まだ赤いね」



「痛くないから大丈夫」



SM「そう。なら良かった」



「スンミン、色々ありがと。
巻き込んじゃってゴメン」



SM「謝らないでよ。
Aがウチに来て嬉しかったし」





手首に触れていた手が


今度は俺の頭をポン、と触る。





スンミンの優しすぎる慰め方に


戸惑っているだけなんだと思う。





けど


なんだかこの時間が愛おしい理由は

よく分からない。

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