일상2

HN side ページ39

Aの左腕には傷がある。


うっすらだけど。




空港で俺を守った時についた傷で


Aは気にするなって言うけど


見るたびに申し訳ない気持ちになるんだ。





だって綺麗なAの身体に


俺のせいで傷跡をつけちゃったんだから。






「また触ってる。
もう痛くもなんともないってば」



HN「だって、、跡跡が残ったから…」






気温が暑くなって半袖になると


どうしてもAの傷を上から撫でてしまう。




もうクセなんだろうな、






「上からタトゥーで消しちゃおうか」



HN「えぇ！？
傷の上に傷をつけるなんてダメだよ！」



「なんで？
見えなくなればジソンが気にならなくなるだろ」






Aが傷を気にしてるとか


元からタトゥーを入れたかったならともかく




俺のためにまた痛い思いするっていうなら


そんな事ダメに決まってる。







HN「タトゥー入れたらもっと気にするよ」




「えぇー？
じゃあどうすりゃいいのさ」




HN「仕方ないよ。
俺を庇ってできた傷には変わりないんだから。
どうしたって気になる」




「気にしないで、って何回言えばいい？
ジソンア、お前の顔に当たらなくて良かったって。
この程度で済んで良かったって。
そう思ってくれない？」




HN「それは…そうだけど…」




「お願い。
俺の事で苦しまないでくれ」







そうだ。




Aって普段は意味不明で変な奴だけどさ




そんな事どうでも良くなっちゃうくらい


どこまでも優しくて良いヤツなんだ。





だから俺はAが好きなんだ。






「もしジソンの顔に傷ついてたら
俺はきっと殺人犯で逮捕されていただろうな」



HN「それは困るㅎㅎ」



「でしょ。
だから、これで良かったの。ね？」



HN「うん」






そうは言っても

ありがたい気持ちは消えないよ。




だから

なにかあったら今度は俺が


Aを絶対に守ろうって、


そう思うんだ。

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