僕等のシェアハウス (ページ23)

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LK

初めて会った時こそ驚いたけど

Aは良いやつだと思う。

弟達も懐いてて

勉強をみてやったりもしてるし。

見た目がチャラいだけで

案外普通に優しい人なんだな、って。

あの金髪ロングヘアに見慣れてきたのもあるけど。

バイトから帰るといつも

開けっぱなしのリビングのドアから

やたら明るい髪色が見えるのが日常になった。

Aはよくリビングで皆んなといるから。

LK「ただいまー…ん？」

なのに今日はそれが見えない。

あの黒髪は誰だろ？

ああ、

弟達の誰かが髪を切ったんだ。

「どう？」

LK「は……、いや、どう……って、」

焼肉屋のバイト帰りで煙臭いから

洗ってリビングに行ったら

黒髪で短い髪のAがいた。

じゃあさっき見た黒髪はAだったのか。

金髪じゃないAは別人みたい。

普通に道で会っても誰？ってなるよ。

LK「何で切ったの？」

「ヒョンがさ、たまには家に帰れって言うから
家に行ったら父親にハサミで髪を切られちゃった」

LK「えぇ？まじ？」

「何だその髪の毛は！
一家の恥だ！なんつってㅎㅎㅎ」

LK「それで切られたの！？」

「そゆこと。
どうせならイメチェンしちゃおっかな、って」

明るく笑ってるようで

全然笑えてないよ、A。

金髪もロングヘアも気に入ってたんだろ？

それなのに。

「俺も見慣れないんだよね。
けど皆んな良いって言うんだ」

LK「俺は、、
前の方がAらしくて好きだった」

慰めて「この髪も似合ってるよ」って

言わなくちゃいけなかったのかも。

だけど、そうは言いたくなかった。

だってこんなのAらしくない。

「ねぇ、明日も美容室行ったらヤバいかな？」

LK「Aの好きにすれば？」

「〜〜っ！ミノ大好きっ」

LK「！？
…なんだよ、アイツ」

Aはぎゅっと抱きついたかと思えば

携帯を持って走って行った。

なんか気分が晴れたみたいだし

俺も嬉し……

LK「なんだよ、まったく」

何で俺が嬉しいとか思ってんの？

意味わかんないし。