第1夜 ページ1
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去年の10月31日は、何年経っても忘れることはない。
私の彼氏である月崎志麻が、いなくなった日だ。
デートの約束をしていたのに、彼が待ち合わせ場所に来ることは無かった。
その数日後に行方不明だということが知らされ、警察も捜査を行っているがなんの手掛かりもなし。
はっきり言ってもう警察のやる気なんてなくって、私一人で毎日なにか手掛かりはないかと探す日々。
______それは、今年のハロウィンも例外じゃない。
夜も遅いというのに明るい街、人々で賑わう道路。そこらじゅうにいる仮装をした人達。
｢A〜っ！今日も探してるの？今日くらい休んでハロウィンを楽しんだって、誰も文句は言わないよ｣
天使の仮装をした友達にそう言われても、私はただ彼の面影を追うばかり。
｢ごめんね、今日だからこそ、ちゃんとしたいんだ｣
謝れば素直にそっか、と言葉を残し人混みの中へと消えていく友達。
その姿を追いながら、もう一度彼がいないか目を凝らす。
心のどこかで、分かっている。
もう、彼はこの世にはいないんじゃないか。
もう、二度と会うことなんてできないんじゃないか。
でも、その現実を受け止めたくなくて、私は今日も彼を探す。
｢やっぱり、いないのかな｣
ぽつりと呟いて、辺りをぐるりと見渡してみる。
_____一瞬。
ほんの一瞬、背丈も、髪型も、後ろ姿も彼に瓜二つな人が目に入る。
人違いかもしれない、似たような人かもしれない。
そんな可能性を考える前に、私はその人めがけて走り出した。
後ろ姿をただただ追う。
どうやら路地裏に入ったようで、一気に薄暗くなる道を目の前に躊躇いが生まれかけるが、気合いでごまかして進んで行った。
でも、こんなところに道なんてなかったような___
道は意外と短かったのか、そんな疑問を感じた瞬間、開けた場所に出る。
私の視界には、信じられないものが写っていた。
｢………なに、これ｣
私の視界の大半を占める大きな船。
見たことも無い、まるでおとぎ話に出てくるような風貌に思わず立ち尽くしてしまう。
名も知らぬ彼氏の志麻にそっくりな人に夢中になっていたからか、それともこの船に気を取られていたからか、後ろに立つ人に私は気付くことができなかった。
｢_____こんな夜にこんなとこおったら危ないで、お嬢さん｣
反射的に後ろへ振り向く。
そこには、キョンシーの仮装をした男の人が立っていた。
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クロナ - 涙目になりながら読ませて頂きました。とても面白い話でした！ (2019年1月23日 0時) (
レス) id: 95383b2889 (このIDを非表示/違反報告)
心愛 - とてもよっかたです！夢主ちゃんと四人が再会するお話とかその後話が欲しいです！ (2018年11月27日 21時) (レス) id: 1b1d47c664 (このIDを非表示/違反報告)
史緒(プロフ) - ゆづきさん» コメントありがとうございます、まだまだ拙い文ですがそう言っていただけて感無量です…！閲覧ありがとうございました！ (2018年10月31日 7時) (レス) id: 5df9928a5a (このIDを非表示/違反報告)
史緒(プロフ) - つぼみさん» コメントありがとうございます、少しでも作品の雰囲気を楽しんでいただけでとても嬉しいです！期待に応えられるよう頑張ります！！ (2018年10月31日 7時) (レス) id: 5df9928a5a (このIDを非表示/違反報告)
ゆづき - 感動した。ただその一言です！愛が感じられるとても素敵な作品でした！ (2018年10月30日 18時) (レス) id: 5ea47c424e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：史緒 | 作成日時：2018年10月3日 23時
