第31夜 ページ31
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｢ここに来た原因、坂田のした事……そこまでは言うたやんな？ほんなら、次は今の志麻くんの状態についてお話しましょか｣
余る程の袖を振り、ここ座ってください、と椅子を指す。
仕草が女子より女子だなあ、なんて呑気なことを考えながら座った。
｢聞いたとは思うけど、今は記憶に蓋がされてる状態。____で、それを、Aちゃんが取ろうとしてる訳やねん。記憶が戻ったら俺らには不利益ばっかやから、戻らんように術をかけたんよ｣
｢術？｣
｢そう。うらたんやったか坂田やったかは忘れたけど……とにかく、思い出そうとするとそれを強制的に体が拒むようにした。志麻くんの頭痛はそっからやね｣
とんとん、とセンラさんは指で頭をさすジェスチャーをし、身振り手振りで教えてくれる。
私が思い出させようとしたから、志麻の身体に負担がかかるようになってたのか。
そう考えると、坂田さんが言っていた最近頻度が多い、という言葉にも納得がいく。
｢最近志麻くん薬飲んでないらしいからなあ。今も相当しんどいと思うんです、でも、まあ大丈夫やない？｣
｢何を根拠にそんなこと言ってるんですか｣
｢そりゃ、Aちゃんが記憶のフタを外しかけてるからやろ｣
｢え？｣
｢彼女なんに気付いてへんの？志麻くん相当気にかけてると思うんやけど｣
少しだけセンラさんが目を丸くする。
その様子から見るに、本当に気付いていないとは思っていなかったようだ。
生憎、自分が関することになると途端に気が回らなくなってしまう。
……でも、よくよく考えてくれば、何かあるごとに志麻が気にしてくれていた、ような……？
｢あと一押しやと思うんやけどね、本当に、何か1つきっかけがあれば、戻るんちゃうかなあ｣
｢………本当に言ってます？｣
｢なんか俺に対して疑り深くない？ここまできて嘘はつかへんって〜｣
だって、なんでここまで教えてくれるのかがよく分からない。
記憶を取り戻して不利益になるんだったら、教えるどころか嘘をついてても何もおかしくないんだから。
｢俺は別になんでもええよ、言うたやろ？4人も3人も関係あらへんーって｣
そこで終わりかと思った言葉だが、けど、という言葉によって続けられる。
｢うらたんと坂田は_____どうやろなぁ｣
その言葉は、ひどく、私に悪い予感を、感じさせた。
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クロナ - 涙目になりながら読ませて頂きました。とても面白い話でした！ (2019年1月23日 0時) (
レス) id: 95383b2889 (このIDを非表示/違反報告)
心愛 - とてもよっかたです！夢主ちゃんと四人が再会するお話とかその後話が欲しいです！ (2018年11月27日 21時) (レス) id: 1b1d47c664 (このIDを非表示/違反報告)
史緒(プロフ) - ゆづきさん» コメントありがとうございます、まだまだ拙い文ですがそう言っていただけて感無量です…！閲覧ありがとうございました！ (2018年10月31日 7時) (レス) id: 5df9928a5a (このIDを非表示/違反報告)
史緒(プロフ) - つぼみさん» コメントありがとうございます、少しでも作品の雰囲気を楽しんでいただけでとても嬉しいです！期待に応えられるよう頑張ります！！ (2018年10月31日 7時) (レス) id: 5df9928a5a (このIDを非表示/違反報告)
ゆづき - 感動した。ただその一言です！愛が感じられるとても素敵な作品でした！ (2018年10月30日 18時) (レス) id: 5ea47c424e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：史緒 | 作成日時：2018年10月3日 23時
