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どうも皆さん、また会いましたね、坂田です。
そして、今俺の隣で会話をしているのがセンラと両片想いの子、Aさん。
なぜ一緒にいるかと言うと、マンションの廊下でばったり出くわした上、行先も同じとなればもうこれは事情聴取しかないんじゃないか、と。
さすがにセンラをからかいすぎて買い出し行くことになったなんて言えなくて、じゃんけんで負けた、とか口走ってもうたけど。
センラのことも聞きたいし、と言えばなんで、とでも言いたそうに目を丸くするAさん。
これは、もしかして、もしかしてだけど。
「え、だってAさんセンラのこと好きなんやろ?」
「………は、い?」
まさか、この子は自分がセンラに対して恋心を上手く隠せてると思ってるのだろうか。
あんなに幸せそうな笑顔をして、楽しそうに話しているのに。
隠せてるといえば、本人くらいだけだろう。
似た者同士やな、なんて考えながら笑いが抑えきれず、思わず笑ってしまう。
俺がその事について触れればやっぱりバレてないと思っていたのか、分かりやすく動揺するAさん。
「バレバレ、だったんですか〜……」
「それはもう好き好きオーラがぶわぶわと。……まあ、それだけやないねんけど……」
「え?今なんて……」
彼女の問いにに、と笑いかけて誤魔化す。
センラから聞いたから、センラもAさんのこと好きなんやで?なんて、口が裂けても俺から言うべきことじゃない。
その言葉は、本人が言わないと意味が無い。
青春やなあ、なんて思いながら、戸惑った顔をしているAさんをコンビニの中へと促した。
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作者名:史緒 | 作成日時:2018年9月12日 0時