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メイクもへアセットも終わって、お呼びがかかるのを待っていた。








『すみません。ちょっとお願いが…』







ドアがノックされて、少し開かれた隙間から顔を見せたのは早織さん。







『あれ?早織さん どうしたんすか?』








『あのね、奈緒のメイクがコンセプトと合わなくて…その事で奈緒とメイクさんが険悪になっちゃってね。撮影進まないの』






『また奈緒のワガママか(笑)』






奈緒、仕事に関しては厳しいからな。
ぜってぇ譲んないんだよね。
普段は、適当な部分もあって、そのギャップが可愛いんだよ。
ウチの相方と同じ
ギャップ萌えってやつね(笑)






『今回は、奈緒は悪くないんだけど(苦笑)でね、登坂君とこのメイクさんお借りしたくて…』







え?あぁ
Aちゃんね
振り返って見ると、なんか携帯出して慌ててるし(笑)

これ、ぜってぇ薫さんに確認取ろうとしてんじゃん。
まだ一人立ちしてるわけじゃないから、ダメって言われるパターンね。
薫さん、ちょっと堅苦しいからさ




なので、そうなる前に阻止!






『Aちゃん、奈緒のメイクしてやってくんない?時間ないしさ』






Aちゃんの顔を覗き込みながらお願い。






『わ、わ、私ですか?』








『うん。メイクさんAちゃんしか居ないでしょ(笑)』








他に誰がいんだよ。ほんとウケる(笑)







『ほんとにすみません。よろしくお願いします』







早織さんにまで頭を下げられてAちゃん大ピンチ。







『あ、あの 私まだアシスタントで…今日はたまたま1人で…』








『大丈夫、大丈夫!Aちゃんの腕は俺らが保証するから!』






自信持てって!





『じゃ、じゃあ やらせていただきます』




はぇーな(笑)
単純かよ
まぁ助かったけど(笑)








最後の【す】を言い終わらないうちに、健ちゃんと両腕を捕んで、控え室の外に放り出しといた。




ナイス俺!

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作者名:花梨 | 作成日時:2018年1月20日 11時

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