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『ねぇー北京ダックあるとこにしてー』




『はぁ?ホテルのレストランだからあるんじゃない?臣、北京ダック好きだっけ?』




『いやべつに…(笑)』



なんだよそれって笑ってるマネージャーさんと、別にいいじゃんって返して



Aちゃんを振り返ってさらっとウインクをする。


酔っぱらいの告白を聞くまでは、Aちゃんは岩ちゃんの事が好きなんだと思ってた。
単純って言われるかもしんねぇけど、仲良かったし、距離も近かったし……







あの告白の後、俺なりに今までのAちゃんを思い出してみた。



俺とは目も合わせず、挨拶とか天気の事とか
社交辞令程度しか話した事がなかったのも、俺がいると緊張してたって





そんな事聞いたら可愛くてたまんなくなるじゃん。







ホテルのレストランに連れてきてもらったけど、生憎北京ダックは予約なのだそう。




『いやー知らなかったわー。Aちゃん知ってた?』





頭をブンブン振って 知らない アピールをしてる。
こんだけ話すようになっても、まだ緊張してんだよ(笑)





『東京戻ったら北京ダック食べに連れてってやるよ』





『えっ?』





あれ?
喜ばねぇの?





『食べたいんでしょ?北京ダック』








『お、お、お、臣さん…』





『ん?』





『わ、私、北京ダック食べた事ない…です』





は?









『そ?じゃ、違うの食べに行こ?』





ちょっと驚いた顔をして

その後、眉間に皺を寄せて

次はパッと明るい顔をした。






ほんと飽きねぇ(笑)






『Aちゃん、水餃子美味しいよ?』





Aちゃんの口の前に水餃子を運ぶ。





『ほら、お口開けなさい!あーーーーん』






『あーーーーーん』





『ん。いい子(笑)』






目を白黒させて一生懸命モグモグしてんだよ。

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作者名:花梨 | 作成日時:2018年1月20日 11時

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