Snow Drop (ページ24)

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上海に着いてリハ

まるっきり一人だから、やっぱり緊張する。

ステージの端っこで上を見上げたり、衣装を眺めた後、ちょっと目を閉じたりしているAちゃんに、いつものふわふわ感はなくて、一人前のメイクスタッフだった。

目を閉じて少し微笑んだAちゃんの横顔に俺の胸が音をたてた。

『やべぇー、すっげぇ緊張するんですけど(笑)』

緊張してんのはほんと。

『臣さん、少しじっとしてください。』

俺を見上げながら困ったように笑ってるAちゃん。

『えー？ムリムリ！もう心臓バクバク。ほらっ！』

少しだけ触れたくて、Aちゃんの手首を掴んで俺の胸にあてた。

『な？バクバクでしょ？』

『そ、そうですね。』

Aちゃんの手首を掴んで満足するはずだったのに…
自分の胸に無理やり持ってきた小さな手のひらから伝わる温かさが俺を欲張りにさせた。

『あぁぁあぁぁーっ！ヤバい！ちょっとこうしてて？』

そう言い終わらないうちにAちゃんを包み込んだ。

Aちゃんからもドキドキが伝わってきて、俺の中に愛しさが溢れる。

『臣ぃー何やってんの(笑)Aちゃんフリーズしてんじゃん』

マネージャーがニヤニヤしてるけど、そんなの無視。
包み込んだまま放さない。
俺の癒し

L.A.での仕事が終わったら…

うん。

そのタイミングしかないと思う。