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ほんとに偶然




あの後、帰って死ぬほど寝る!って宣言した隆二と別れて一人で飲みに来た。



岩ちゃんに教えてもらった、こじんまりしたおしゃれな居酒屋

一人で居酒屋……(笑)

まぁ、飲めたらなんの問題もない。




適当に腹ごなしして、ほんのりいい気分になって
そろそろ帰ろうかな その前にトイレ


個室の前を通りかかったら、中から聞き覚えのある声が聞こえた。





『おーい!起きろよー。帰んぞー』





『ヤダー。もっと飲むー。』




『ムリムリ!もう目ぇ開いてねぇじゃん』





岩ちゃんとAちゃん?




そっと引き戸を引くと、Aちゃんの頬っぺたをペチペチ叩いてた岩ちゃんがすごい早さで振り返った。




『あれ?臣さん!』




『Aちゃん、潰れちゃったの?』




『そうなんすよー、俺、明日朝イチで取材入ってるから早く帰りたいのにー』




じゃあ、なんで今日誘ったんだよ(笑)




『Aちゃん家どの辺?俺、送ってこうか?』




『えっ?いや……』




『大丈夫だって!なんもしねぇよ(笑)』




じゃあ……って言った岩ちゃんから、Aちゃん家の住所を聞き出し





『鞄の中の青いポーチに鍵入ってます。』




は?そんな事まで知ってんの?




『コイツ、よく潰れるんで(笑)
オートロックとかない、普通のアパートっす』




え?オートロックねぇの?
それ、大丈夫なのかよ……





『じゃあ、送ってくわ!お疲れ』





そこまで遠い距離じゃなかったけど、酔っぱらいさん連れて歩く気力ねぇからタクシーに乗った。





スースーと寝息をたててる幼い顔をじっと見つめてるうちにアパートに着いた。





爆睡してるとこ悪いけど起きて(笑)?
とりあえず降りてくれ

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作者名:花梨 | 作成日時:2018年1月20日 11時

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