▼31 ホンモノ ページ31
駐輪場からニンジャちゃんを出して路肩まで押して行く。
先にどーぞって言われるがままにニンジャちゃんに跨るが、初めて座るバイクの後は思ってたより高くて跨りにくくてちょっと焦った。
私がしっかり座ったのを確認してバイクは発車した。
発車の瞬間、ぐらつく車体にビビってるとエンジン音に邪魔されながらあろまの笑い声が聞こえた。
信号で止まるたびに振り返って「寒くない？」って聞いてくれるあろまに私は毎回「大丈夫」と答える。
時々走行中に話しかけてくるけどエンジンの音と周りの車の音に邪魔されて何回も聞き返して、聞き返されてを繰り返してその度に笑った。
天文台近くのスーパーで夕飯の買い物とか夜食を買って、目的の天文台に到着するとすぐに今日泊まるテントに案内された。
私たちが泊まるのはモンゴルテントで天井は吹き抜けになっていて寝転がりながら室内で星空を眺めることができるという優れものだ。
夜はバーベキューをして、他の宿泊客とあろまは何故だか意気投合していた。
この人は人たらしだなと最初こそ驚いたけど何となく納得できた。
夕飯の後片付けも終わって、この宿泊施設には共同風呂がひとつしかないことから早めに入っておこうと言うことになってお風呂の譲り合いが始まった。
最後は埒があかないとあろまが折れて先にお風呂に入った。
あろまが帰ってきて私もお風呂に向かった。
ちょうどお風呂の前で他の利用者さんと鉢合わせてここでも譲り合い。でも相手の方が男性で、男の後は嫌でしょと先に入らせていただいた。
テントに戻るまでには外を通らなきゃいけなくて、歩きながら寒空を見上げた。
「…ホンモノのカレカノみたい」
そう思う私はホンモノになりたくてそう思うのかな。
元カノの存在に嫉妬してもどうにもならないのに。
元カノは乗らなかったニンジャちゃんに乗らせてもらって、
腰に回す腕がちょっとでも緩むと「危ないから」って回し直されて
その度にちょっとドキッとしたのも、
「おー、おかえり」
先にくつろぐあろまに少しドキッとしたのも内緒にしておこう。
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有馬(プロフ) - 007さん» ありがとうございます！ついに最終章です！楽しんでいただけるように頑張りますのでお待ちくださいませ！ (2018年12月15日 9時) (
レス) id: adf3e71480 (このIDを非表示/違反報告)
007(プロフ) - 2章完結おめです！ついに最終章ですか…楽しみです！ (2018年12月15日 0時) (レス) id: 378ccf97ed (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：有馬 | 作成日時：2018年11月9日 10時
