希望の朝だったら9 ページ9
ティータイムを楽しんでいると、壁の向こうから密やかなざわめきが聞こえた。そちらには使用人が使う隠し通路がある。この通路は部屋と部屋の裏を縫うように通じていて、表の廊下に客人がいる際、使用人が彼らの目に触れないように移動するために使う。半地下から屋根裏まで、屋敷内のほとんどどこでも表に出ないまま移動できる通路だ。階段裏からここまでやってきたのだろう、部屋の端の扉の向こうからノックとアガタの声がした。
「A、今、開けてもよろしいでしょうか?」
「どうぞ」
「失礼します。……ね、ここがさっきのAの執務室に繋がるってわけ」
アガタは扉の向こうを振り返って、そこにいるらしき子どもたちに案内をしている。
アガタに釣られて戸口の影からひょいと顔を出したゾムに軽く手を振る。ぴゃっと慌てたあと、こちらを窺うようにそっと手を振り返してくる。隣でナタリーがどーもとぞんざいに会釈をする。アガタが呆れた顔をした。
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ペルシア(プロフ) - 可愛いgrちゃんが大好きです!!更新お待ちしてます!! (3月19日 21時) (レス) @page27 id: c35f13a9da (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - 好きああああああ (1月13日 18時) (レス) @page27 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
まる(プロフ) - この暖かくて優しくて、愛おしい笑顔で溢れた世界に出会えて良かったです! 主人が皆を愛しているのが伝わる、微笑ましい言葉が大好きです。出会った直後の新参者ですが、次回の更新を心待ちにしています。 (10月7日 6時) (レス) id: dba6e6f19e (このIDを非表示/違反報告)
れう(プロフ) - 初めてのコメント、失礼します……!このお話が本当に大好きで、ずっとお待ちしておりました!!!更新本当に嬉しいです、ご負担にならない程度に頑張って下さい!応援しています! (7月10日 16時) (レス) id: c2fdbc83c8 (このIDを非表示/違反報告)
鵜久森ミステリホラー執筆中(プロフ) - 更新ありがとうございます!前々から大好きでずっと読んでます。お体には気をつけられてくださいね!! (7月1日 8時) (レス) @page22 id: 3371b422c0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:吉野あまみず | 作成日時:2020年1月20日 13時