頼りかた【4】 (ページ18)

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西畑side

Aのダンスやっぱり好きやな

「確認したい」と言われついて行くと

1秒も無駄にしたくないんやろうな

毎回本番のように全力で繰り返すA

西畑「っしゃ、一緒にやるで」

どれくらい経ったんやろ

西畑「体力おばけやろ」

床につきながらAを見上げて言う

「休憩しよっか」

壁に2人で寄りかかり最近思っている疑問を問いかけてみる

西畑「今回のライブ、ダンスに力入れてたりする？」

俺はAのことではなく、真っ正面を見ながらきいた

Aがどんな顔してるのか見たくなかったから

「休んでるとき考えてたんよね」

「私の武器ってなんやろうなって」

西畑「うん、」

「そう思ってたらだんだんわからんくなってきて」

「自分を1番表現出来るものはダンスやって思ったんよね」

Aは正直やってみたらできちゃった

っていうことが多い

そこを羨ましがる人もいれば妬む人もいる

もちろん見せてきた全部がそうだ、
っていうわけじゃないけど

何回も何回も練習を重ねて出来たっていうことも多々ある

器用にみえる不器用な人

完璧にみえる努力みたいな

「ダンスだけは違うんよね」

また1人で踊り始めるAを俺は見ながら

"いつかAの好きなダンスを思いっきり踊らせてあげたい"

そう考えるようになった

本気なんだろうけど本気じゃない感じ

まだまだAならいける気がする

その日だけは止めずにAが納得するまで

ダンスを続けさせた

「大吾くん、確認付き合ってくれてありがとう」

西畑「うん」

西畑「よし、帰ろか」

「うん！」

お疲れだったのかやっぱり帰りの車で

静かに寝るAは本物の天使やった