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音楽番組出演の前。
楽屋で聞こえる私に対する言葉に耐え切れず、また逃げ出してしまった。
前にも増して酷くなった言葉達。
“枕営業してるって聞いたんだよね”
“一人の仕事だと高圧的な態度らしいよ”
“何の取り柄もねえくせに”
“存在価値無いよね”
心に突き刺さった棘は思った以上に太くて長くて、深く突き刺さって抜けない。
もう、刺せる所なんて、無い。
『手も、足も、ボロボロだあ、』
練習中に自然にわざと足を掛けられて転んだり、思い切り肩がぶつかって大きな痣ができたり、ファンレターに入ってるカッターの刃で深く切った傷口だったり。
目立たないようにしても自分の醜い体に嫌気が差して、こんなの北斗くんに見られたら北斗くんにまで捨てられちゃう。
北斗くん無しでは、生きられないのに。
『………っ、辞め、たい、…っ』
痣や傷で汚くなって出せなくなった足を抱え、膝に顔を埋める。
其れでも辞めさせてくれない事務所に心を抉られ、其の度に北斗くんの優しさに助けられた。
男社会、に居る限りは女は捨てようと思っていたけどこんな傷だらけな自分。
虚しくて悲しくて辛くて。
『……いかなきゃ、』
重い腰を上げ階段を降りようと一歩踏み出した瞬間。
背中に何かが触れ体が宙に浮いた。
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「ありがとうな、_________」
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ほ - 大事な試験があったのでTwitterログアウトしてたんですけどにその間燐さんがいなくなっててとても寂しいです(T_T)燐さんがいないTLは物足りない…今でも燐さんのお話が1番大好きです(T_T) (12月29日 1時) (レス) id: 0eb4c93d38 (このIDを非表示/違反報告)
らん - とても楽しく読ませて頂いてます!Twitterの方なのですが、教えていただくことは可能でしょうか、?この作品もとっても面白かったです! (12月11日 20時) (レス) id: 9d7b3667bf (このIDを非表示/違反報告)
燐(プロフ) - 瑠夏さん» 嬉しいコメントありがとうございます…!終始暗いお話でしたが、楽しんでいただけて嬉しいです! (12月7日 17時) (レス) id: 6bdcff6902 (このIDを非表示/違反報告)
瑠夏 - それはまるで蛇のようで、とても興味深い作品でした。とても面白かったです。 (12月7日 15時) (レス) id: 159c0c1844 (このIDを非表示/違反報告)
瑠夏 - どのような結末になるのか考えています…!これからも燐さんのことを応援しています! (12月4日 14時) (レス) id: a1493b1ce1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Kayu x他1人 | 作成日時:2020年12月3日 10時