ただ皆で幸せになりたい蛇の物語(賢者の石編) (ページ8)

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4話目(妹蛇の視点) ページ8

今日はホグワーツに入学する日。
家族と一緒にキングス・クロス駅へとやって来た。
既に両親とは別れて、取り合いになるであろうコンパートメントも2つ取ってあり荷物も搬入済みだ。
クラッブとセオドールが来るだけだし人数的には1つで良いんだけど……人数が増えないとは限らないから多めに取っておくに越したことはない。
というか既にセオドールがこっちに荷物を置いて隣のコンパートメントで本を読み始めてる。
ボクの片割れであるドラコもボクの隣、通路側の方に座り本を読んでいる。
……何？ボクの知らない間にドラコとセオドール喧嘩でもした？？なんて思いながら窓の外を眺めていた。

ラ)クラッブはいつになったら来るの？せっかくコンパートメント取ってあげてるのにさぁ
ド)さぁね。あいつの事だからギリギリに来るんじゃないか？
そんなに暇なら本でも読んだらどうだ

窓の外を眺めるのにも飽きてしまい、ぶーぶーと文句ばかり言うボクに対して呆れたような声音で本を読めと言ってくるドラコ。
チラッとドラコの方を見れば自分の方を見るのを察していたのかこちらの方に顔を向け本を差し出していた。
流石は一卵性の双子……ボクの考えてる事はなんでも分かるって事か……
差し出された本を受け取ればドラコはまた読んでいた本に視線を落としてしまう。
受け取った本の題名を確認すればそれはボクが好きな本で……やっぱり兄は優しいなと心の底から思った。
本を開いて自分も読み始めるが外から聞こえてくる声がどうしても気になってしまう。
本をドラコの膝に置き、窓を開けて体を乗り出すように外を見る。
ため息をついたドラコが本を読むのをやめてボクの腰に腕を回して落ちないように支えてくれた。やっぱり優しい。

ラ)あ、やっぱり……あの赤毛ウィーズリー家の奴らだ。
……一緒に居るのって…………あの時の黒髪野郎か……
ド)ウィーズリー家の連中なんてわざわざ見る必要も無いだろ。
ほら、あまり窓の外に乗り出すな……危ないだろう？
そんなに暇なら後で探検でもしよう。例のポッターがホグワーツに入学するらしいからね

ドラコがボクを引き戻すように力を込めて引っ張る。
そのまま椅子に座り込めばドラコが窓を閉めてしまった。
これでは観察がしにくいと、文句を言いたい気持ちはあるが列車が出発したら一緒に探検してくれると兄が言うもんだからここは大人しくしておこうと判断した。
先程目に付いた黒髪の子について考えて時間でも潰そうか
彼と会ったのは…確か…