ただ皆で幸せになりたい蛇の物語(賢者の石編) (ページ7)

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3話目(優しき蛇の視点) ページ7

母)辛くなったらいつでも帰ってきていいんだからね？
ご飯だっていくらでも作ってあげるわ。
父)何かあればすぐに連絡を入れるんだよ？すぐに迎えに行くから

恐怖に駆られて寂しいと言ってしまった自分を安心させるかのようにそう言って笑ってくれる両親。
本当に凄いと思う。だって……そう言って貰えるだけでとっても安心できるから。
飛びっきりの笑顔を浮かべて両親にお礼を伝える。
時計を見ればそろそろ家を出ないといけない時間になっていた。

父)さてと……A、忘れ物がないか部屋を確認しておいで。
荷物は俺が車に乗せておくから

そう言って玄関の方へと向かう父の背中を見送っていれば母も食器を片付けにキッチンの方へと行ってしまった。
父に言われたとおり自室へと戻り忘れ物がないかの確認をする。
この部屋とも当分はお別れだ。
次に帰ってくるのはクリスマス休暇の時だろう……
ずっと過ごしてきた部屋だから少し寂しい……
玄関の方から両親が呼ぶ声が聞こえてきた。
そろそろ家を出ないといけないようだ。
駆け足で玄関の方へと向かい、父がドアを開けてくれていた車に乗り込んだ。
母も助手席へと乗り込み私の方を振り返りながら問い掛けてくる

母)忘れ物は無かった？学校、楽しめるのいいわね
父)よーし、それじゃあ出発するぞー

入学前最後の家族揃ってのドライブ。
窓の外を流れる景色をボーッと見つめながら両親が話している事を聞いている。
今日の夕飯はとか今日は何時に帰るとか本当になんてことの無いいつもの会話。
これも当分は聞けないのかぁとさらに寂しくなってしまった。
そんな風に寂しさに浸っていればいつの間にか駅に着いたようで父が荷物を車から降ろしてくれていた。

母)A、行ってらっしゃい。気を付けてね
9と4分の3番線はお父さんが場所を知っているからちゃんとついて行くのよ？
あとこれ……お弁当とおやつ。サンドイッチとクッキーを作ったからお友達と食べてね

差し出された2つの紙袋を受け取りお礼を述べれば、私の頭を軽く撫でてから母は立ち去った。
母の姿が完全に見えなくなってから父の方へと顔を向ける。

主)……9と4分の3番線ってどうやって行くの？
父)着いてからのお楽しみだよ。さぁ、行こうか。

カートに乗せられた私の荷物を押しながら颯爽と歩き始めた父を慌てて追いかける。
私の物語の始まりを告げるかのように心地よい風が吹いた。

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無駄に長くてごめんなさい