ただ皆で幸せになりたい蛇の物語(賢者の石編) (ページ6)

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2話目(優しき蛇の視点) ページ6

母)そう言えば……ハーマイオニーちゃんと合流するのは駅でなの？

もぐもぐと朝食を食べていれば紅茶を飲んでいた母が問い掛けてきた。
コーヒーを飲み、新聞を読んでいた父もこちらに顔を向けて返答を待っているようだった。
きっと、私がお願いすればハーマイオニーの家まで迎えに行ってくれるのだろう。
しかし、今回はハーマイオニーとの合流に関しては特に話していない……
せっかくだしお互い同級生となる子達と話してみようという話になったのだ。2人で居たらきっと2人だけで話してしまうから……別々に行動しよう。そういう話だった。

主)ん〜……今回は別々に行こうって話になったの。
ほら、他の人と仲良くなるチャンスでしょ？
2人で居たらきっと2人だけで話しちゃうもん……
母)あら、そうなの。沢山お友達が増えると良いわね？
それじゃあハーマイオニーちゃんへの挨拶はパパに任せるわ

クスクスと優しく笑いながらそう言ってくれた母。
父は何も言わずに視線を新聞へと戻していた。
母は今日はどうしても外せない用事があるらしく駅までは一緒に来てくれるが駅の中には入らずにそのまま目的地へと向かうらしい。
9と4分の3番線が何処なのかはまだ理解していないが父が知っているようなので父と一緒に向かう予定だ。
しかし……ハーマイオニーはちゃんと辿り着けるのだろうか……
心配になる気持ちを抑えて朝食を食べきってしまう

主)ご馳走様でした。美味しかった！
あぁ……お母さんのご飯……当分食べられないのかぁ……
寂しいな〜

両親と離れて過ごすのは怖いし、大好きな母のご飯が食べられなくなるのも悲しい。
家を出る用意は既に終わっており朝食も食べ終えてしまったからか新しい場所での生活に対する恐怖が強くなってしまった。
だって、私は魔法を知らない。両親は魔法のことを知っているようだけれど、それを話してくれたことは無かったし……ホグワーツへの入学が決まってからじゃ聞ける時間も限られていた。
知らない場所、知らない人、そしてよく分からない魔法。
いくら大好きなハーマイオニーが居るとはいえ……怖いものは怖い。
でも、怯えてる姿を見せたくなくてわざと茶化す様に寂しいと伝えてみた。