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しかし、ではどうしようか。
悩んでいると、月崎の方から、
「それより阿良々木先輩、食事にせぇへんか？」
と、提案してきた。
「食事？」
「うん。後輩の身から食事を申し出るなど、作法に反した不躾なお願いかもしれへんが、俺は、気分が悪いんは、大抵、おなか一杯ご飯を食べたら治る」
「………………」
漫画のキャラみたいな奴だな。
体調の悪いときまで、面白い後輩だ。
「けど、お札貼るときまでは何も食うなって言われてんだよな……身を清めるとかなんとかでさ。
いいや、じゃあ、月崎、お前どっか、その重箱広げられそうな場所、探してよ。
寂れた神社でお昼ご飯っていうのもぞっとしないけれど、それもまた風情ってもんだ。
その間に私は、ちゃっちゃとこの札、貼ってくるから」
「うむ。せやな、そうしよか。申し訳ないが、仕事の方は阿良々木先輩に任せることにする」
「じゃ」
そう言って、私は月崎に背を向け、草を踏み分けるようにして建物の方に向かう。
歌詞さんには本殿に貼るよう言われているけれど、本堂のどこに貼ればいいのかまではちょっとわからない感じだな……中に貼ればいいのか、それとも戸に貼ればいいのか。
それがわからないのは、はっきり言って歌詞さんの指示が足りない所為だったが、何、あいつの指示が足りないのはいつものことである。
自分で考えろということなのかもしれない。
とりあえず、一通り建物を見ながら、私は再度、さっきすれ違った男の子のことを考える。
なんだろう、やけに気になる……いや、気になるというよりは。
見覚えがあるとか。
会ったことがあるとか。
それ以前の問題として――感じるものがあった。
それが何かまでは――わからないが。
「でも、会った気がするのも、また確かなんだよな……どこで会ったんだっけ。
中学生と知り合う機会なんて、そうそう……」
弟ならまだしも……。
弟？
「ん……なんだろう」
結局、私は本殿とあたりをつけた建物の戸に、お札を貼った。
というより、その戸を開けてしまえば建物自体が崩れてしまいそうな予感がしたので、それ以外に選択肢はなかったと言っていい。
そっと建物を離れ、私は鳥居のところに戻る。月崎はまだ戻ってきていなかった。
携帯電話を取り出す……が、まだ月崎から、電話番号を教えてもらっていないことに気付く。
そういえば月崎にも、私の番号を教えていない。
携帯電話、意味ないじゃん。
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灰猫(プロフ) - realさん» 毎度コメントくださりありがとうございます！🙇♀️正直作者自身も過去に作った設定などを見返してはそこにそのキャラ置くんだ！？となっているので驚きながら書いていますw少しずつ更新していきますのでお待ち頂けると幸いです！ (2022年5月21日 11時) (
レス) id: e872c5e500 (このIDを非表示/違反報告)
real(プロフ) - 元まーかー、りょくちゃのやつです()毎度コメント失礼します＼(_ _)今回の配役は驚きましたが最高です😊更新楽しみにしてます！ (2022年5月19日 19時) (レス) id: f217387575 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：灰猫 | 作成日時：2022年5月5日 5時
