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「……とかなんとか言ってる間に、目的地に到着したよ。
歌詞さんの言うことにゃ、その辺から階段があるらしいんだが――ああ、あったあった。
……まあ、ただの獣道に見えなくもないけれど――」
道路沿いにある山。
山の名前は知らない。
歌詞さんも知らないとのことだった。
山の間を縫うように道路が作られていると見るべきなのだろうが、歩道の脇から、山の頂点へ向かて、階段――少なくとも昔は階段があったらしい痕跡が見て取れる。
いや、今も一応、階段は階段だ。
だけど、さっきの月崎の話じゃないが、我が校の運動部の連中がこの辺りまでジョギングに来ているという話は聞いたことがあるが、しかし、この階段を昇って山中に入っているということは、なさそうである。
草木がぼうぼうで、あらかじめ言われていなければ、これが階段であるとは、とても気付けそうもない。かつて階段であったとも、やはり思わないだろう。
獣道。
ん、いや――よく見れば、草が踏み潰されているような跡がある。足跡だ。
なるほど、この階段、全く誰も使っていないというわけではないのか。だけど、だとしたらこれは、どんな人間の足跡なのだろう？
確か歌詞さんは、その神社には近付いてもいないと言っていたから、この足跡は歌詞さんのものじゃないはずだ。
神社は既に廃れてしまっていると言っていたから、そこの関係者ということでもないだろう……。
変な奴らのたまり場になっている。
ことは――ないはずだけど。
「…………」
私の左腕に付着している月崎を見る。
こいつはこの通り、やけにガードの甘い、その癖格好いい男の子だからな……大丈夫だろうか。
変な奴らと言うのが、文字通り変な奴らだった場合……私一人にできることには限界がある。
鬼の血が体内に残っているとは言っても、その血は私の場合、基本的には新陳代謝や回復力の方面にしか働かないのだ。
「さきつき後輩」
「なんや、らぎ子ちゃん」
「その左腕――どんな調子？」
「うん？ どない意味や？」
「いや、何か変わったことはないかと思って」
「特にない」
特にない――か。
まあ、何気に重そうなその風呂敷包み、ちっとも持ち替えることなく、左手で持ち続けているし……。
じゃあ、心配いらないのかな……元々の基礎体力に加えて、猿の左腕のパワーがプラスされている、それが今の月崎のデフォルトの状態であるのだとすれば……。
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灰猫(プロフ) - realさん» 毎度コメントくださりありがとうございます！🙇♀️正直作者自身も過去に作った設定などを見返してはそこにそのキャラ置くんだ！？となっているので驚きながら書いていますw少しずつ更新していきますのでお待ち頂けると幸いです！ (2022年5月21日 11時) (
レス) id: e872c5e500 (このIDを非表示/違反報告)
real(プロフ) - 元まーかー、りょくちゃのやつです()毎度コメント失礼します＼(_ _)今回の配役は驚きましたが最高です😊更新楽しみにしてます！ (2022年5月19日 19時) (レス) id: f217387575 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：灰猫 | 作成日時：2022年5月5日 5時
