22話 ページ23
トレイ、ケイト「………」
二人が気まずそうに黙り込む。
トレイ「…寮長は、入学して一週間と経たずに寮長の座についた。少し言葉がキツくなりがちだけど、寮を良くしようと思ってのことで、根は悪い奴じゃないんだ。」
グリム「本当に根がいいやつはいきなり他人に首輪をつけたりしないんだゾ。」
トレイ・ケイト「ははは…」
ユウ「そういえば、ユニーク魔法って?」
ケイト「ん?リドルくんのユニーク魔法のこと?」
デュース「ユニーク…ということは、寮長独自の魔法ということですか?」
トレイ「厳密に世界で一人かはさておき…一般的に、その人しか使えない個性的な魔法のことを"ユニーク魔法"と呼ぶ。そのうち授業でちゃんと習うと思うぞ。」
ケイト「リドルくんのユニーク魔法は"他人の魔法を一定時間封じ込めることができる魔法"。その名も…
グリム「ヒィッ!名前がもう怖ぇ〜のだ!」
ケイト「魔法を封じられるのって、魔法士にとっては首を失うのと同じくらいイタいからね〜。ってわけで、寮内ではリドルくんに逆らわない方がいーよ。」
トレイ「逆にルールにさえ従っていればリドル寮長も怖くないってわけだ。」
エース「そういや、オレタルト買って帰らないとまたケイト先輩に追い出されるわけ?」
『まあ、ルールだし…そうでしょうね』
ケイト「うんうん。ハートの女王の法律第53条でそう決まってるからさ。あと、リドルくんはホールケーキの最初の1ピースを食べるのを楽しみにしてるからきっとホールじゃないと許してくれないかも⭐︎」
エース「仲良くしようとか言っといて見逃してくんないのかよ…」
ケイト「それはそれ、これはこれ。」
デュース「しかし…タルトをホールでってだいぶ高くないか?」
エース「げ〜。オレそんな金持ってないんだけど…」
『ないなら作ればいいんじゃない?材料なら学園内で集められるでしょう。』
ケイト「そーそー。あのタルトもトレイくんが作ったやつだし。」
エース「あのタルト、トレイ先輩が作ったの!?すげー!売り物みたいでしたよ。」
トレイ「はは、ありがとうな。器具や調味料は一通り揃えてあるが…タダで提供するわけにはいかないな。」
エース「えぇ〜!金取るのかよ!」
トレイ「ははっ、後輩から金を巻き上げるわけないだろ。次にリドルが食べたがっているタルトの材料に栗が大量にいるんだ。集めてきてくれないか?」
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作者名:すた | 作成日時:2023年1月4日 0時