君の言うたっちゃんは俺じゃない (ページ3)

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深澤side

『あとね！俺の母さん、舘さんのこと好きなの』

『ほんと？お母さんにぜひ会いたいな。』

少年の母親は舘さんが好きなのか。

そう言えば、Aも舘さん推しだったな。

涼太くん涼太くんって言ってた。

ヤキモチ妬きまくってたなあ、最初は……

と思いながら周りを見れば、なんか微妙な表情の阿部ちゃん。

そんなジェットコースター怖いんかな？可愛いやつだな、

『そういえば、君の名前はなんでやんすか？』

『俺、祐！(たすく)、中村祐！嶺亜くんと同じ苗字なんだ！！小学生2年生！あ、嶺亜くんと親戚じゃないよ！』

「なかむら、で、舘さん推し、」

心当たりしかなかった。

Aの苗字は中村、そして舘さん推し。

嫌な予感しか、しなかった。

『ね！そうだよね、阿部ちゃん』

『っあ、うん、そうなの？』

『もーとぼけないでよ！僕達友達じゃん！』

皆で阿部ちゃんを一斉に見る。

阿部ちゃんはやばい、という顔をしている。明らかに、

もしかして、阿部ちゃん、コイツのこと、知って、

『もー！たっちゃん、勝手にいなくならないで、よ……』

『母さん！SnowManだよ、舘さんと阿部ちゃんいる！』

「……A、」

目の前に現れたのは、祐の母親。

……もとい、中村A、俺の、ずっっと探してた、彼女、だった。

『たっちゃん、なんで』

「それは俺のセリフ『見つけたから声掛けちゃった！』あ、」

Aのいうたっちゃんは俺じゃない、

……息子の、祐のこと、だった。