＿＿＿＿１０４ side S ページ10
Shota side.
「....」
「渡辺。黙ってても話にならないから」
そうは言われてもなんと答えたらいいか分からない。
思考は停止したまま。
俺はただその記事を呆然と眺めた。
記事に写っていた彼女は俺があげたストールを巻いていて、昨日撮られた写真だと理解したことだけが唯一頭の働いた場所だった。
「彼女か？」
「....はい、」
「これはもう今日明日には出る記事だ。防ぎようがない」
「....はい」
「デビュー前のこの大事な時期に撮られたのはお前の不注意だし、無自覚な行動なのは分かってるな？」
「....はい、すみません、」
....確かに、気は緩んでいた。
今までこうして撮られることを懸念して家でばかり過ごしていたというのに、記念日くらい彼女を��普通の女の子��にしてあげたいという欲望に駆られていつもはしないことをしてしまった。
5年のうちのたった1日。
今まで大丈夫だったんだから、たった数時間くらい大丈夫だろう。
そんな甘い考えでいた少し前の俺を心底憎んだ。
まさかそんな一瞬を切り取られるなんて思ってもみなくて、色んな感情が巻き起こり無意識に溜め息が漏れる。
「今後どうしたらいいかよく考えて結論を出すように」
そう最後に釘を刺されてその場は解放された。
重怠い体を引きずるように応接室を出る。
未だ、頭は休みなく動いているのに肝心な答えが出てこない。
「よく考えてって、どうしたらいいんだよ、」
動揺を隠せないまま廊下を歩いていると、壁に寄りかかる人影が視界に映り込んだ。
「翔太....」
「阿部、」
何かを悟ったような迷ったような、そんな顔をした阿部が眉を下げて俺を見つめた。
「翔太も、呼ばれたんだ、」
「....あぁ、うん」
翔太��も��というたった一つの助詞で全てを悟る。
二人を取り巻く空気は鉛のように重かった。
.
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cleam(プロフ) - 花恋さん» 花恋様、お返事が大変遅くなってしまい申し訳ありません……コメントをいただいていたのに見落としてしまっておりました🙇🏻♀️とても素敵なコメントをいただけて嬉しく思います。ありがとうございました🙇🏻♀️ (12月14日 20時) (
レス) id: e2ba919ba9 (このIDを非表示/違反報告)
花恋 - cleam様、完結おめでとうございます...！今まで沢山の素敵なお話をありがとうございました！毎回楽しく読ませて頂いてましたが、特に今回の作品はまるで一本の映画を見ているようでめちゃくちゃ感動しました。本当にお疲れ様でしたありがとうございました...！！ (2022年3月24日 3時) (レス) @page50 id: b45d38f13c (このIDを非表示/違反報告)
cleam(プロフ) - ぺふさん» ありがとうございます（ ; ; ）うわぁ....1番好きだなんて嬉しすぎて何と表現したら良いか、（涙）最後まで楽しんでもらえて本当に良かったです。そしてお心遣いもありがとうございます。全力で頑張ってきます！ (2022年3月21日 7時) (レス) id: c295088e12 (このIDを非表示/違反報告)
cleam(プロフ) - ayaさん» ありがとうございます😭たくさんたくさんお読みいただけて光栄です....！今は少しロス（？）状態ではありますがこれから来る新生活、頑張りたいと思います！そうですね＾＾これからも活躍する9人をいっぱい応援していきましょう！ありがとうございました！ (2022年3月21日 7時) (レス) id: c295088e12 (このIDを非表示/違反報告)
cleam(プロフ) - asami13さん» ありがとうございます（ ; ; ）わぁ、良かった....（ ; ; ）またいつか書ける日が来ることを夢見て実生活の方を全力で頑張りたいと思います！ありがとうございました！ (2022年3月21日 7時) (レス) id: c295088e12 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：cleam
| 作成日時：2022年3月3日 0時
