____102 side S ページ8
Shota side.
切り出すタイミングを見計らっていると、彼女が夜風に身を震わせ始めた。
「さすがに寒いね〜」
「くしゅ、」なんて可愛らしいくしゃみをした彼女。
このままじゃ彼女が風邪を引いてしまう。
じゃあこのことは家に帰ってから話そうか。
でもさすがに冷え切ったままはあれだから、ちょっとあったまってから話そうか。
後で、
これが終わったら、
そんなことを思いながら肌を触れ合わせる。
記念日だから、と理由をつけて色んな刺激を与えれば、彼女は涙目になりながら腰を反らした。
「....かわいい、」
「っ、!」
新しい刺激に耐えるように必死で身を捩る彼女が可愛くて、少しやりすぎてしまったみたい。
体を大きく揺らした彼女は、ベッドに力なく倒れ込んでしまった。
「A?」
彼女の名前を呼んでも、全く反応しない。
....しまった。
彼女がいつも以上に可愛すぎて無意識に抱き潰してしまった。
あのことを話すつもりだったのに....
横たわった彼女の乱れた髪に手櫛を通しながら、目を瞑った彼女を見つめる。
「話しておきたいことがあったんだけど」
答えられるはずもない彼女にそんなことを問いかけながら、溢れ出る愛おしさを彼女の指先を弄りながら誤魔化した。
「まぁ、明日言えばいっか」
でも明日の朝は早いから顔を見て話せないし、とりあえずメモだけ残しておくか。
これを聞いたら驚くかな。
きっと驚くんだろうな。
でも驚かせてしまうとしても帰ってきたら言おう。
ずっと隠しててごめんって謝ろう。
そして『これからも一緒にいたい』と伝えよう。
明日にはきっと、きっと、明るい未来が待ってる。
この時までは、そう思っていた。
ずるずると後回しにしてしまったことを、今では後悔している。
早く言っておけば、こんなことにはならなかったかもしれないのに。
先に立たない後悔が頭の中にぐるぐると駆け回った。
.
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cleam(プロフ) - 花恋さん» 花恋様、お返事が大変遅くなってしまい申し訳ありません……コメントをいただいていたのに見落としてしまっておりました🙇🏻♀️とても素敵なコメントをいただけて嬉しく思います。ありがとうございました🙇🏻♀️ (12月14日 20時) (レス) id: e2ba919ba9 (このIDを非表示/違反報告)
花恋 - cleam様、完結おめでとうございます...!今まで沢山の素敵なお話をありがとうございました!毎回楽しく読ませて頂いてましたが、特に今回の作品はまるで一本の映画を見ているようでめちゃくちゃ感動しました。本当にお疲れ様でしたありがとうございました...!! (2022年3月24日 3時) (レス) @page50 id: b45d38f13c (このIDを非表示/違反報告)
cleam(プロフ) - ぺふさん» ありがとうございます( ; ; )うわぁ....1番好きだなんて嬉しすぎて何と表現したら良いか、(涙)最後まで楽しんでもらえて本当に良かったです。そしてお心遣いもありがとうございます。全力で頑張ってきます! (2022年3月21日 7時) (レス) id: c295088e12 (このIDを非表示/違反報告)
cleam(プロフ) - ayaさん» ありがとうございます😭たくさんたくさんお読みいただけて光栄です....!今は少しロス(?)状態ではありますがこれから来る新生活、頑張りたいと思います!そうですね^^これからも活躍する9人をいっぱい応援していきましょう!ありがとうございました! (2022年3月21日 7時) (レス) id: c295088e12 (このIDを非表示/違反報告)
cleam(プロフ) - asami13さん» ありがとうございます( ; ; )わぁ、良かった....( ; ; )またいつか書ける日が来ることを夢見て実生活の方を全力で頑張りたいと思います!ありがとうございました! (2022年3月21日 7時) (レス) id: c295088e12 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:cleam | 作成日時:2022年3月3日 0時