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「これって坂下さんが好きな人だっけ？」
「....」
「A？」
「え？あ....えっと、坂下さんは確か、阿部くんだったかな、」
「そっか。でもこの人もかっこいいね」
「....そう、だね、」
動揺を隠しきれないまま、私はそれ以上画面を見ることが出来ず、逃げるようにダイニングテーブルに席を移した。
「あれ、見ないの？」
「あー....うん、ちょっと、仕事思い出しちゃって」
「大丈夫？俺手伝おっか？」
「後輩のくせに」
「んははっ確かに！でも俺にも出来ることあるでしょ。Aは溜め込んじゃうから見張ってないとすぐ無理するし。俺にだけはちゃんと言ってもらわないと」
しんどかったら俺に言う
それだけ忘れんな
あぁ、ダメだ。
テレビから聞こえる翔太の笑い声が、またしまい込んでいた記憶の蓋を開けていく。
せっかく固まりかけていたのに簡単に剥がれてまたじくじくと膿んだ傷跡が顔を出して痛い。
翔太....
翔太はもう、私のことなんて忘れちゃったかな、
煌びやかな芸能界はどう？
相変わらずねぼすけなのかな。
それとも、起こしてくれる人が見つかった？
すごいね。
最近じゃネットニュースによく名前載ってるもんね。
冠番組を持ってテレビもたくさん出て、雑誌が重版して、CDの売上が年間ランキングに入って。
その度に流れるニュースの詳細を見る勇気はないけど、ほぼ毎日のように見出しが流れてくるから気を付けてても目に入ってきちゃうんだ。
すごく活躍してるんだね。
すごいね。....本当にすごい、
やっぱり住む世界が違う人だったんだね。
最初からこうなる運命だったのかな。
私たちはこの薄い液晶パネル越しくらいの距離にいるのが合っているのかもしれないね。
「A」
ぼーっとテレビを眺めていると、彼が私の名前を呼んだ。
「ん、？」
「結婚しない？」
「え....」
それはあまりに突然で、間の抜けた声が出てしまう。
プロポーズなんてされるような雰囲気ではなかったから。
お風呂を済ませ、部屋着で寛いだリビングの一角。
過去の人のことで頭がいっぱいになっていた私に気付いてもいない彼は優しい雰囲気を纏っていた。
「Aのこと支えてあげたいなって思っ....」
黙り込んだ私を見た彼は、何かを察したように口を噤んだ。
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cleam(プロフ) - 花恋さん» 花恋様、お返事が大変遅くなってしまい申し訳ありません……コメントをいただいていたのに見落としてしまっておりました🙇🏻♀️とても素敵なコメントをいただけて嬉しく思います。ありがとうございました🙇🏻♀️ (12月14日 20時) (
レス) id: e2ba919ba9 (このIDを非表示/違反報告)
花恋 - cleam様、完結おめでとうございます...！今まで沢山の素敵なお話をありがとうございました！毎回楽しく読ませて頂いてましたが、特に今回の作品はまるで一本の映画を見ているようでめちゃくちゃ感動しました。本当にお疲れ様でしたありがとうございました...！！ (2022年3月24日 3時) (レス) @page50 id: b45d38f13c (このIDを非表示/違反報告)
cleam(プロフ) - ぺふさん» ありがとうございます（ ; ; ）うわぁ....1番好きだなんて嬉しすぎて何と表現したら良いか、（涙）最後まで楽しんでもらえて本当に良かったです。そしてお心遣いもありがとうございます。全力で頑張ってきます！ (2022年3月21日 7時) (レス) id: c295088e12 (このIDを非表示/違反報告)
cleam(プロフ) - ayaさん» ありがとうございます😭たくさんたくさんお読みいただけて光栄です....！今は少しロス（？）状態ではありますがこれから来る新生活、頑張りたいと思います！そうですね＾＾これからも活躍する9人をいっぱい応援していきましょう！ありがとうございました！ (2022年3月21日 7時) (レス) id: c295088e12 (このIDを非表示/違反報告)
cleam(プロフ) - asami13さん» ありがとうございます（ ; ; ）わぁ、良かった....（ ; ; ）またいつか書ける日が来ることを夢見て実生活の方を全力で頑張りたいと思います！ありがとうございました！ (2022年3月21日 7時) (レス) id: c295088e12 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：cleam
| 作成日時：2022年3月3日 0時
