＿＿＿＿１０９ side S ページ15
Shota side.
連絡もせずに3日ぶりに帰ってきた家。
鍵を開けた瞬間、パタパタと駆け寄る音がする。
「っ、翔太、！」
俺を視界に入れた彼女は、安堵の滲んだ表情を見せた。
ごめんな。
連絡もしないで。
泣いたのかな。
あんま寝てないだろ。
目の下凄いよ。
....それ、俺のせいだよな。
ごめんな。
彼女を見つめていると厳重に蓋をしたはずの感情が溢れ出して決意が揺らいでしまいそうだったから、視線を外しながらソファに座った。
「どこ行ってたの、？」
「ちょっと考えなきゃなんねぇことがあってさ」
「考えなきゃいけないこと、？」
....あぁ、言いたくねぇな
A、どんな顔すんだろ。
やっぱ怒るかな。
むしろ怒られた方が楽かもしれないな。
自分勝手。
最低。
いっそ嫌われたっていいよ。
....Aが、どこかで平和に過ごせるなら、
「別れてくんね？」
俺が出した結論。��彼女と別れること��
俺の言葉に彼女はピクリと表情を強張らせる。
「さすがにもういいっしょ。飽きたし。元々取っ替え引っ替えタイプなのによく5年も続いたわ。最長記録」
自分の口から溢れる言葉に本心なんて滲んでいない。
この5年、彼女を想い続けたのは紛れもない俺の意志。
ごめん、本当は好きだよ。
離れたくない、愛してる。
本心が顔を出す度に涙が溢れそうになるのを必死に堪えた。
「....荷物まとめて出てって」
「待って、」
「いいから出てけって！！」
これ以上彼女の声を聞くのは耐えられそうになくて、思わず声を荒げてしまった。
Aを見ると、絶望のような表情を浮かべた後、歪んだ笑顔でその場を取り繕おうとするから余計に胸が苦しくなって。
「ごめんね、」
彼女は自分勝手な俺に怒ることも喚くこともしなかった。
あろうことかその矛先を自分に向けたのだ。
自分が何かしてしまったんじゃないか、と。
そして大きな目に涙を浮かべた彼女はそのまま部屋を出て行った。
独りになった部屋。
俺は力なくソファの背もたれに寄りかかる。
残されたままの彼女の私物に目をやりながら、どうしようもない喪失感に襲われた。
「...............ごめん、」
ぐちゃぐちゃに混ざり合ってどうしようもなくなった感情を吐き出し、必死に堪えていた涙を静かに流した。
.
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cleam(プロフ) - 花恋さん» 花恋様、お返事が大変遅くなってしまい申し訳ありません……コメントをいただいていたのに見落としてしまっておりました🙇🏻♀️とても素敵なコメントをいただけて嬉しく思います。ありがとうございました🙇🏻♀️ (12月14日 20時) (
レス) id: e2ba919ba9 (このIDを非表示/違反報告)
花恋 - cleam様、完結おめでとうございます...！今まで沢山の素敵なお話をありがとうございました！毎回楽しく読ませて頂いてましたが、特に今回の作品はまるで一本の映画を見ているようでめちゃくちゃ感動しました。本当にお疲れ様でしたありがとうございました...！！ (2022年3月24日 3時) (レス) @page50 id: b45d38f13c (このIDを非表示/違反報告)
cleam(プロフ) - ぺふさん» ありがとうございます（ ; ; ）うわぁ....1番好きだなんて嬉しすぎて何と表現したら良いか、（涙）最後まで楽しんでもらえて本当に良かったです。そしてお心遣いもありがとうございます。全力で頑張ってきます！ (2022年3月21日 7時) (レス) id: c295088e12 (このIDを非表示/違反報告)
cleam(プロフ) - ayaさん» ありがとうございます😭たくさんたくさんお読みいただけて光栄です....！今は少しロス（？）状態ではありますがこれから来る新生活、頑張りたいと思います！そうですね＾＾これからも活躍する9人をいっぱい応援していきましょう！ありがとうございました！ (2022年3月21日 7時) (レス) id: c295088e12 (このIDを非表示/違反報告)
cleam(プロフ) - asami13さん» ありがとうございます（ ; ; ）わぁ、良かった....（ ; ; ）またいつか書ける日が来ることを夢見て実生活の方を全力で頑張りたいと思います！ありがとうございました！ (2022年3月21日 7時) (レス) id: c295088e12 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：cleam
| 作成日時：2022年3月3日 0時
