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《abe》

急に心奏ちゃんの顔が真面目になる。

「で、お兄ちゃんのことだから阿部くんが知らないうちにその人のとこ殴り込みに行ったんでしょ?」

深「事務所にはいってきたよ。けど、俺らが言う前にもうクビが言い渡されてさ。その場ですぐクビなったよ」

「へぇー、他にも被害者いたんかな」

深「さぁ?」

「じゃあ、とりあえず解決はしたんだ?」

深「あれがいなきゃな。あの、あれ、取り巻きがいなきゃいいけど」

「あぁ、あんなのただのクズやん?仲間内でやりあえって感じ」

深「まぁ、とりあえず解決はしてるから、阿部ちゃん安心して?」

阿「コクンッ...」

「じゃあ、診察に戻ろうか。なんか声おかしいなぁとか出しずらいなぁって思ったのっていつ?」

阿《今日》

「今日か。最初は出ずらいだけだったのが今は出ないって感じ?」

阿「コクンッ...」

「そのメールって残ってたりする?」

阿「コクンッ...」

メールボックスを開いて渡す。

深「うわ、なんかもうストーカーやん」

「だねー、こりゃ精神的にくるわ。お兄ちゃん、これ全部消しといて」

深「おう」

「無理に出しても治らなくなるし、しばらくは筆談でにしよう。お仕事も声出るまでおやすみさせてもらおう?」

阿「コクンッ...」

「体に問題がないなら、踊ってもいいからさ。なんなら私も踊るから」

深「習ってたんだっけ?」

「ちょっとね。小3から小6までかな」

深「意外と長いじゃん」

「そりゃ、お兄ちゃんに影響されてたから」

阿《やめたの?》

「うん。その通ってたスクールは小学生までだったから。部活にダンスがなかったし、やめちゃったな」

阿《今もできるの?》

「どうだろ。最近運動してないからすぐバテるんじゃない?」

深「俺らの出来ないの?」

「んー、ひとりでやってるとわかんなくなるからやらないかな。できることには出来ると思うけど」

深「今度遊びに来れば?下でやるときなら俺らしかいないし、真面目にやるけど、流しとか確認だから」

「気向いたらね。一応、これから精神科も設立するから忙しくなるし」

深「そう頻繁には呼べなくなるな」

「来てくれればいいんだよ。10時の15時だからその前後は空いてるしなんなら予約入れてくれたら時間内もできるし」

深「そっか」

「あ、阿部くん気分転換にお散歩する?」

阿「ぇ、」

「あ、かすかに声出る感じ?」

深「うん」

「多分母音だけがかすかに聞き取れるって感じだね。おし!お散歩行こ!着替えてくる!」

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作者名:抹茶 | 作成日時:2021年8月29日 6時

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