【２】田中さんと深澤さんに取り合いされてます。 (ページ48)

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助けページ48

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「ねえ、俺のどこが駄目なの…っ」

『やめ、離して…っ』

振り絞った声は蚊の鳴くような声で

周りに助けが行くはずもなく

もうこのままどうなってしまうんだろう

何も出来ない自分と恐怖で涙が止まらない

何度も心の中で辰哉くんの名前を呼ぶけど

もちろん助けなんて来るはずもない…

もう、駄目だ

そう思うと

「おいお～い、君、俺の女になにしてくれちゃってんの?」

強い力で鈴木くんを引き離し

すぐに私を抱き寄せたのは

田中「何してんだって言ってんだよ、このクソガキ」

『じゅ、り…』

「っ、お前、誰なんだよ…俺はAちゃんが好きで…!」

田中「あ〜、うるせぇうるせぇ、この子、俺んだから。脅して付き合おうとするお子ちゃまはさっさと帰れよ。」

樹は今まで見た事ないくらい威圧的な目をしていて

鈴木くんは後ずさりしてすぐに走っていった

田中「迎えいくって連絡、送信しないままだったみてぇだわ…ごめんな…？」

そう言って頭を撫でてくれる樹

『こわ、かっ…た、』

田中「大丈夫～もう俺がいるから…部屋入ろ？」

『…っ、ん』

震える手で鍵を開け、部屋に入る

その途端、安堵したのか腰が抜けてその場に座りこんでしまう

田中「大丈夫…落ち着くまで座ってよ」

隣りに腰を下ろし私の頭を肩に寄せてくれる

まだ恐怖と安堵で涙は止まらなくて

泣いてる間樹はずっと背中を摩ってくれた

いつの間にか眠ってしまっていたようで

目を覚まして横を見れば優しく微笑みながら

田中「落ち着いた…？」

『…ん、ごめん、ね…』

田中「謝ることねーべ？なんもしてねーんだから。こっちは被害者！笑」

にしてもバス停居ないからさぁ～
来てみてよかったわさすが俺だよなぁ
そもそも泊まる気でいたし〜

なんてふにゃっとした顔で笑うから

それにまた安心して少し鼻がツンとする

田中「ん。今日は一緒にいてやるよ。いい？」

『うん…いてほしい、です』

そう言うと

田中「ま、断られたとしても居座るけどな～」

と笑ってみせた

思い返してみれば…

いつだって私を助けてくれるのは樹

些細な変化にも気がついてくれて

淋しさを埋めてくれているのも樹

こんなにも愛されているのに

踏ん切りのつかない私は本当にずるい