花言葉【雪男】 (ページ3)

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夏休み終わりの登校初日

やってもいない課題を持って
重い足を引きずるように学校に行った。

案の定、先生に怒られたけれど
それどころじゃなさそうな俺を見て
不安そうな顔で諦めて離れていった。

そして昼過ぎ Aが俺のクラスに来た

｢たっちゃん…今時間ある？｣

『あぁ、うん、あるよ』

｢良かった…ちょっと着いてきてくれない？｣

との事で2人して教室を出て歩いていく。
人の居ない階段の踊り場に来て

｢たっちゃん、あのね、私Cくんと
付き合うことになったの。｣と赤い顔で話す君を見て
心がギュッと締め付けられる。

知ってるよ、って言ったら驚くかな。
仲良さそうに夏祭り二人でいたもんね
俺のことなんて初めから眼中に無かったの？
俺はずっとずっと…好きだったのに…

｢たっちゃん、聞いてた？｣
なんて心配そうに顔を覗くAが

可愛くて綺麗で大好きで。

『そっか、おめでとう。
幸せにしてもらいなよ？』と返せば

｢ありがとう｣ってふんわり笑うんだ。

一日が終わって家に帰る
友達に振られたことを伝えたら
女の子紹介するとか言われたけど断っておいた。

帰り道に咲く綺麗なアサガオ
確か、花言葉が…『儚い恋』だっけ。

Aが話してた気がする。

俺にピッタリとか思ったり思わなかったり
なんでかって？それはね？

同じ土俵にすら立てなかったから…かな？

"不真面目な俺"と'真面目なAと彼'
彼女のタイプはCくんのような人で
彼女の"大切で大好きな人"は俺じゃなかった

ただ、それだけ。

(アサガオ × 深澤辰哉 END)