彼は私に冷たい【snr】

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「勿論、結婚したいと思ってる。…相手が誰であっても、ね」


驚いたように目を見開くセンラ。次の瞬間はっとしてバンッと机を両手に置き「あかん！」と立ち上がる。こんなに感情的になるセンラは初めてで、どう動くのが吉か分からず、じっと見つめ合う。

暫しの沈黙。勝負に出てみるか、と口を開く。これが吉と出るか凶と出るか、私にはまだわからなかった。


「何が「あかん」なの？結婚はしたくない？」
「ち、違…！」
「説明、してよ。言ってくれないと分からない」

「…俺と、付き合っとるのに、相手は誰であれ結婚はしたいなんて、言わんといて」
「他のやつの隣で幸せそうにしとるAなんて見たくない」


そこまで言って、正気に戻ったのか力が抜けたように「…ごめん」と小さく口にして、センラは椅子に座った。


「…でよ」
「え、？」
「謝らないでよ。そう言ってくれたの凄く嬉しかったのに」

「私だって、センラが他の女の人の隣に居るのなんて見たくない」
「一生を共にするなら、センラがいいもん」


言ってしまった、そう思ったけれど後悔は無くて。相手は誰であれ結婚したいだなんてそんなわけが無い、センラがいい。


黙っているセンラの様子を伺えば、鳩が豆鉄砲を食らったような顔をしていて声を出して笑ってしまった。



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