フープピアス 【青】

19 ページ19

.




涼太のお店で十分に語り明かし、お家に帰ってきた。





翔「ねえ、A」


『ん？どうしたの？』


翔「改めて、誕生日おめでとう」


『…うん、ありがとう』


翔「こんな状況だから、今年は何渡そうか悩んだんだけど…

これ、、受け取って欲しい」




そう、翔太から渡されたのは綺麗な小さな箱だった。



翔「開けてみて」



翔太に言われ、包みを開けていく。

そこには、、




『…フープピアス？』


翔「うん、Aがずっとおれのフープ好きって言ってくれたから」


『すっごい、、可愛いね。

…？何か書いてある？』




ピアスの側面を見てみると

そこには、翔太とあたしのイニシャルがあった。




翔「もう、別れる時間が迫ってるのにこんな贈り物して重たいって分かってる。

でも、Aが前さ、おれとの思い出を綺麗にしまいたいって言ってくれて

だったら、少しでも俺を思い出してくれる物にしたいって思ったんだ」



『翔太…。ありがとう、大事にするね』



翔「…うん。おれもAがくれたやつ全部大切にするから。

絶対、お前とのことは忘れない」



『うん、あたしもだよ。

…じゃあ、お風呂入って寝よ？』




翔太から貰ったピアスを大切に手荷物に入れ、順番にお風呂に入る。


お風呂を出たら、久しぶりにお互いの髪の毛を乾かした。、

向かい合って、布団に入った。




翔「明日、何時に出るの？」


『んー、午前中には出るよ』


翔「そっか…駅まで送るから起こしてね」


『うん、ありがとう。

…寂しくなるね。

明日からもう、、恋人じゃなくなるんだね』


翔「、、言うなよ」


『今まで…、ほんとに、ありがとう』


翔「…言うなって…っ！」


『あたし、ほんとに翔太のことだいすきだった…』




言い終わる前に震える翔太に引き寄せられた。

静かに聞こえる、翔太の嗚咽。




『ねえ、翔太は幸せだった？』


翔「…あたり、、まえだろ！

おれは、ほんとは今だってお前が…」




次はあたしが翔太が言い終える前に唇を重ねた。

それは、言っちゃダメだよ。


…あたしの決心が揺らいでしまうから。




『ねえ、最後のお願い…聞いてくれる？』


翔「…な、に？」


『…翔太に、抱いて欲しい、、』


翔「最後の思い出にってか…？」


『うん、、翔大の温もりをっ、覚えてたいの』




そういうと、翔太は勢いよく唇を合わせ

あたしは翔太に溺れた。




ねえ、翔太？





.






大好きだったよー…。





.

20→←18

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す