フープピアス 【青】

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涼「はい、少し早いけどお誕生日おめでとう」


『え、涼太ありがとう！

…いや〜！めっちゃかわいい！！！』




今月末、誕生日を迎えるあたし。

涼太はあたしが好きなブランドのハンカチとヘアクリップをくれた。




『ほんっと、涼太は分かってるよね』


涼「伊達に長いこと一緒にいないからさ。

分かってるつもりだよ。Aのことも、翔太のことも」


『…そうだね。あたしは、もう涼太のことしかわかんないや』


涼「そんなこと言わないで。ほら、乾杯しよ」




今日もクローズした後に涼太と晩酌。

最近のあたしの大切な時間となっている。




『そうだ、奥さん調子はどう？』

涼「とりあえず順調だよ。悪阻も治まったしね」




涼太は今年の冬に赤ちゃんが生まれる。

きっと素敵な子が生まれるに違いないだろうな。




『産まれたら抱っこさせてね』


涼「もちろん、会いに来てよ」


『…はあ、いいなあ。

なーんでこうなっちゃってるのかなあ』


涼「ほんとに。1回尻叩かないとな」


『しかもさ、話したっけ？

もう弁当いらないんだってさ。ありえないよね』


涼「え、そんなこと言ったの？」


『うん。外回りがてらあの子とランチデートだってよ。
ほら見て？このインスタ』


涼「あー、これはAが見てないからやってんね」


『ほんとだよ。もうほんと無理だわ。

涼太どーしよ』


涼「…明日休みだよね？今日泊まってきな。奥さん混じえて聞いてあげるよ。

もう、決まってるんでしょ。覚悟」


『…うん。涼太たちには話ときたいって思ってたから

甘えさせてもらおうかな』


涼「翔太には連絡しなくていいから。

たまにはやきもきさせとこ」


『えー、帰ってこなくてもなんも言わないよ』




自虐的に笑う傍らで本当は心配してくれないかなって思ってしまう。


少しでも意識してくれたら、それでいいのに。





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