ふぇいくかっぷる。《Ryohei.A》 (ページ23)

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＊22 A.Side ページ23

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お酒を口にしていく度に彼女の顔が赤くなっていくのが分かった。

下戸のくせにこの状況を乗り切る為に

酒の力を借りてるっていうのがバレバレで…

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3杯目で、やめといたら？ってそう忠告したのにさ。

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『んーっ、もう一杯だけ！』

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『えっ？なんでぇーっ？』

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帰る、と一言言うと、

まるで俺を欲するような潤った瞳で見つめるんだ。

ねえ、A。何、その技…？無意識でやっているならずるいよ、それ。本当に。

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まだ始まったばかりの恋人ごっこ生活。

キッカケは些細なことで、純粋に俺がAに興味を持ったから。

初めて会った時すんごい面白い子だなって、思った。

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見た目だけで俺を見るような他の女の子とは違う。

一筋縄では行かない娘だと、感じた。

だから、『堕としたい』ってそう思ったの…

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『今日すっごくあっという間だったなぁ。亮平く、んは？』

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『んふ、楽しいね～亮平く、ん』

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部屋までの道路。

フラつく足で歩き進めながら、そんなことを呟く。

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あの、さぁ。気付いてる？

その『亮平くん』って俺をか細く呼ぶ声。

その声が、俺の理性を壊そうとしてるってこと…

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何も気付いていないだなんて…

そんなこと言っても、もう遅いから。

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『亮平く、ん…ねっ！ねえ、ってば』

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はい。タイムオーバー。

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全部、全部。Aのせいだよ…？

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『…いい加減さ、黙れよ…』

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Aの腕を掴み壁に押し付ける。

吐息も感じられるくらいに距離は近い。

ほのかにお酒の匂いが鼻を掠める。

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ああ、痺れる…俺この匂いすっごく好き…

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『亮、平』

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今の君がお酒のせいだって言うので有れば、俺はそうじゃない。

少なくとも、自分の意思で…こうしてる。

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