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あ 「んーっ、もう一杯だけ！」
阿 「…もう終わり。ほら、帰んぞ？」
あ 「えっ？なんでぇーっ？」
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きっと調子に乗って飲みすぎた、んだと思う。
『そろそろやめておいたら？』ジョッキ3杯目を飲み干した頃、彼は私に言った。
だけど、そんな忠告に耳も傾けず一杯また一杯と、手を出し最終的にこの有り様だ。
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あ 「擽ったいよぉ」
阿 「…ったく。余計な世話焼かせんじゃねえよ」
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彼の車に戻ると微かに柔軟剤の匂いが鼻を掠める。
なんか亮平怒ってるなぁ。怒らせちゃったかなぁ。
お酒のせいで頭なんか全然回らない。
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亮平が私のシートベルトを取り付けて、颯爽とハンドルに向き合った。
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阿 「…Aの家このまま真っ直ぐ行って、右手にあるマンションだよね？」
あ 「…ん」
阿 「スノーマンションで合ってる？」
あ 「うん…その2階の203号室だよぉ」
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ああ、思い出すだけで恥ずかしくなる。
飲み過ぎるとタチが悪くなるってことすっかり忘れてたんだ。
こうしてお酒に身を任せてしまったのも、全ては『あざとい彼』のせいで…
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あ 「んふ、楽しいね〜亮平く、ん」
阿 「、っ。ほら、着いたよ」
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ロビーの下でさよならする予定だったけど
あまりに私が千鳥足で見ていられないからとわざわざ部屋の前までついて来てくれた。
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お酒の力って怖い。
この時の私はなんだか寂しかったんだと思う。
素っ気ないなぁ…とか思ってしまったり。
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あ 「亮平く、ん…ねっ！ねえ、ってば」
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その瞬間、強く腕を掴まれる。
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そうして家の前の壁と彼に挟まれる。
いわゆる壁ドン。
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この状況どこかで…？そうだ。あの会議室の日と全くおんなじシチュエーション。
みるみる、夢が覚めていく…
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阿 「…いい加減さ、黙れよ…」
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あ 「亮、平」
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ち、近い…
今日どうしてこんなに彼を意識しているん、だろ。
やっぱりこれもお酒の力？そう、だよね？
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阿 「こんなんで顔赤くしてるなんて…やっぱりAってウブだよね」
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阿 「でも、そんなところが…」
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彼の顔がゆっくり近付いてくる。
キス、される…そう思ったのに。
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阿 「…今日はもう遅いから。また明日ね」
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キス、してくれないの…？
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今の私はなんでか貴方を欲してたんだ。
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みきぽん(プロフ) - い、飲酒運転…？？そこだけは現実味ないかも、でも話の内容に引き込まれる！✨ (2021年11月1日 18時) (
レス) @page22 id: 6c9a88d371 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：くろーばー。
| 作成日時：2020年12月14日 10時
