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亮平の見た目から少し洒落た
フレンチレストランなんてのを勝手に想像してた。
だけどその予想は見事に外れた。
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阿 「乾杯。…ん、んまっ!」
あ 「…」
阿 「え、何。笑」
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互いのグラスとグラスがぶつかり合う。
グラスが重なった後、大きいジョッキをぷはぁと一気に飲み干していく彼。
んまっ!そう口にした彼の所作がまるで女の子みたいで、つい視線が奪われる。
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私の視線を不自然に思った彼が照れたように笑う。
何もない!と私も必死でジョッキに口をつけた。
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なんか何もかもが意外だな。
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あ 「ん〜、うんまぁ…」
やっぱり仕事終わりの一杯は身体に染みる。
ここでつい思った本音が…
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あ 「…亮平がこういうこじんまりした居酒屋来るなんて意外、だったな」
阿 「そう?」
あ 「フレンチレストランとかイタリアンとか少しお高そうな店のイメージ…」
阿 「ふっ、何だよそれ。笑」
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出た。たまに出る亮平の悪戯な微笑み。
この彼がいつ来るか分からないから不覚にもドキドキしてる自分が居る。
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阿 「…A、何頼む?」
あ 「うーん。亮平に任せるよ」
阿 「えーっ。笑
じゃあせーのでお互い食べたいの指さそう…せーの」
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なるほど…その手があったか!と。
亮平の賢さに拍手をする。
数あるメニューの中で偶然にも互いに指をさしたのは同じメニューだった。
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阿 「おっ、偶然!俺もちょうど今唐揚げ食べたかったの」
あ 「え、私も…!!」
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もしかして私達少し波長合ったり…?
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いやいや。それは…ない。
なんて思っていたら。
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阿 「…俺ら結構気合うんじゃない…?」
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少しして…
頬杖をつきながら彼がそう言う。
シンプルにさ、顔整いすぎじゃない?…と。その視線は私の瞳だけを捉えている。
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私も同じこと思ったよ?
でも、そう思ってるって気付かれたくないから…
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わざと視線を逸らして…そうして目の前の大きいジョッキに入ったお酒を一気に喉に通して行く。
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ああ、もうどうにでもなれ。
今はそう…お酒の力に身を任せてしまおう。
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みきぽん(プロフ) - い、飲酒運転…??そこだけは現実味ないかも、でも話の内容に引き込まれる!✨ (2021年11月1日 18時) (レス) @page22 id: 6c9a88d371 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:くろーばー。 | 作成日時:2020年12月14日 10時