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あ 「おはようございます…」
宮 「おはよう。どうしたの、Aちゃん。朝から浮かない顔だね」
あ 「そう、でしょうか…」
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うん。そうだよ。とデスクの棚の隙間から顔を覗かせて笑う。
宮舘さんの気のせいと言いたい。でもそれは、彼の気のせいなんかではなく。
皮肉にも彼のその爽やかな笑顔が今は長い一日の始まりを告げるようで…
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なんだか少し気が重たくなるんだ。
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宮舘さん。
そう見えているんなら、あながち正解ですよ。
心の中でそう答え目の前の書類に目を通していく。
私の反応に彼も気分が乗らないことを察したのか自分の業務へと戻っていった。
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長い一日が始まってしまう。
本日も憂鬱で仕方ない。こんなの全部そう。
その根源はもちろん、ただひとつに決まってる。
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阿 「おはよ、舘さん」
宮 「おお、阿部。おはよう」
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ウゲッ…!
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本日も優しい笑顔を靡かせながらやって来た。これがいわゆるその根源。
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優しくて、温かくて、笑顔が素敵で…
そんなの表向きの顔でしかない。猫かぶってると皆さんに言ってあげたい。本当はこの人は…?
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阿 「おはよ。Aちゃん」
あ 「…!」
阿 「…んふ。今びくって!反応可愛いね?」
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後ろから不意に、肩に置かれた阿部さんの手。
って、彼氏なのに『阿部さん』っておかしい…?
まぁそこは何も指摘されてないしなんだって…
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会社では仕事モードになるから
彼は私をAちゃん、そう呼ぶ。
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けど、プライベート。恋人同士になると
貴方は私をAと。そう呼び捨てで呼ぶんだ。
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少しして…
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阿 「…っ」
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遠い席でパソコンと向き合う彼とふと目が合う。
彼は私の視線に気付くと、唇に人差し指を当てながら
しーっ…って。軽くウインクを交えて…
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は?…いや、しーって何が?すぐ様、視線を背ける。
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すると、間もなくメール受信の着信が鳴って。
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そんなじーっと見ないでよ。笑
怪しまれるでしょ?…A。
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あ 「!?」
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私の偽・彼氏さんは私を見て馬鹿にしたようにふふって笑うの。
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もう、嫌だ…
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恋人ごっこ2日目にしてもう彼の手のひらで私は転がされてる。
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みきぽん(プロフ) - い、飲酒運転…??そこだけは現実味ないかも、でも話の内容に引き込まれる!✨ (2021年11月1日 18時) (レス) @page22 id: 6c9a88d371 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:くろーばー。 | 作成日時:2020年12月14日 10時