因果応報 (ページ7)

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緑Side

「何が違うの…？もしも康二に何かあったら俺…目黒のこと許せないから…」

「舘さん…。そんなの皆そうだろ…。俺だって許せねぇよ…」

静かに怒っているのは舘さんと照。

未だ泣きじゃくって何も言えないのはラウールで。

「…最低だね、目黒。」

一番冷たい目でそう言い放ったのは佐久間だった…。

「ごめんなさい…っ…ごめんなさいっ…」

「…大事に出来ないなら返してよ。俺たちの康二…」

ぽつりぽつり、一点を見つめて呟く佐久間に胸が締め付けられる…

「何で…あんなに好かれてたのに…あんなに康二はめめのこと大好きだったのに…っ…何で浮気なんかっ…」

綺麗な瞳から落ちていく大粒の涙が
佐久間が着ているTシャツのキャラクターを濡らしていく。

「ごめんなさい…っ…」

「ご…めん…」

もう、見てられなかった。

泣きながら魘されているかのように
何度も何度もごめんなさいと繰り返すめめを…。

泣きながらめめを問い詰める佐久間を…。

見てられなかったから…。

「俺が全部悪い…。俺が縋ったから…」

「…は？」

「阿部ちゃん…っ！」

「ごめん…。浮気相手は…俺…なの…」

止めようとしてくれためめを振り切り、
皆の顔を見て言う。

一斉に全員がこっちを向いてそして…

見たこともないくらいの軽蔑をした目を向けた。

「最低だな。」

「…最低だね。」

ふっかと佐久間の声に
全身をナイフで刺されたかのような痛みを感じた。

ずっと一緒に苦楽を共にした同期と、
ずっと好きだった人からの冷たい視線に
耐えられなかった…。

「めめは康二くんのこと、もう好きじゃないの…？阿部ちゃんが好きなの…？」

「好きだよっ!!!康二が…！康二が好きだよ…っ！」

そんな中、ずっと泣きっぱなしだったラウールが口を開いた。

「お酒も入ってて…おかしくなった…。康二に対してむしゃくしゃしてたのもあって阿部ちゃんを利用した…。可愛いって思った。けどっ…だけどっ…！俺が好きなのは…！俺が全てを捧げたいのは…！康二だけなんだよっ…」

「…じゃあ、決めるのは康二くんだね。許すのも許さないのも。だから俺たちは二人を責める筋合いはないよ…」

涙でいっぱいの目をこちらに向けたラウールは、最年少なのに俺なんかよりもずっと大人で。

ただただ情けなくなった…。

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