因果応報 (ページ47)

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黄Side

「…で？何があったわけ？」

他愛もない会話を続け、
そろそろ食事も終わりに近付き
やっと本題に入る。

「別に…」

目を逸らすだけでふっかは何も言わない。

「またあんな風に足引っ張られても困るんだけど」

「…っ」

「なに、俺にも言えないの。」

「…いや、」

「じゃあ言えよ。」

少しきつめの言い方になってしまったけど
逆にそれがふっかの口を開かせるのには
効果的だったらしい。

「…思い出したんだよ、あいつ。」

「は…？」

「ステージから落ちた衝撃で全部思い出したんだとさ。助けたのがめめだったっていうのも思い出す要因になったんじゃないかな…。俺は間に合わなかったから…」

全く想像していなかった言葉に驚きを隠せない…。

「手、伸ばしたんだけどさ…届かなかった…。ちょっとビビったんだよ俺…。落ちるかもしれないって…」

「うん…」

「でも…。めめは自分のことなんか何も考えずに康二に手を伸ばしてた…」

「…うん」

「あいつがどれだけ康二のこと好きか思い知らされた。けど…っ…」

「…」

苦しそうに顔を歪ませて泣いてしまわないように
堪えながら話すふっかを黙って見てるだけの自分が情けない…

「別れたくない…っ…！」

自分から聞き出したのにもかかわらず
振り絞るように出された言葉に、
今すぐこの場から逃げ出してしまいたかった…

「康二はなんて…？」

「今は俺のことが好きだからめめには言わないでくれって…」

「うん…」

「あいつ…ほんとに嘘つくの下手だよな…」

ははっ…と乾いた笑いをこぼすふっかが痛々しい…

「めめには言うなって…めめのことすげぇ好きじゃん…」

「…」

「本当に俺のこと好きなら記憶戻ったこと正直に言って俺と付き合うから諦めてくれって言うよな普通…」

「…」

「あいつ優しいからさ…俺を傷付けたくねぇんだよ…。俺のせいでつきたくもねぇ嘘ついてんだよあいつ…」

ついに我慢していた涙が次から次へとこぼれ落ちる…

頬を伝いテーブルへと落ちていく涙を
俺はただ黙って見つめた。

「康二は嘘なんかつかねぇよ…」

「…っ」

ふっかの味方をしてやりたい…。

そう思って吐き出した言葉はあまりにも無責任で、
余計にふっかを傷付けたということに俺は気付かなかった…

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