因果応報 (ページ46)

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緑Side

自分の腕の中で泣き続ける康二に
胸が張り裂けそうになる…

「ねぇ康二、今は三人しかいない。だから聞かせて？めめのこと、今でも好き？」

優しい声で佐久間が問い掛ける。

「好きちゃう……っ…」

「康二…。素直に言わないと怒るよ？」

「だっ、て…」

「佐久間！あんまり追い詰めないで…康二が悪いわけじゃない…」

「分かってるよそんなこと…」

少し声色が変わった佐久間に注意すると
俺の腕の中から康二が離れた。

「…そんなん…好きに決まってるやん……」

目にたくさんの涙を溜めたまま康二が
真っ直ぐに佐久間を見つめる。

「愛しとるよ…ずっと…。」

「康二…」

「でももう無理やねん。そもそも別れるつもりだったんやから…」

「「は…」」

康二の言葉に俺らの声が重なった。

「阿部ちゃん覚えとる？二人が浮気した日、俺めめとご飯行くつもりだったんよ」

「誘ってたね…」

「その日、ほんまは別れようって言うつもりやった。だからな、浮気されたって知って別れ話の良いきっかけになるとも思ってん」

「え…」

「心の準備が出来るまでメンバーに会わないように外で時間潰してから戻るつもりやった。でも急に車が突っ込んできて…」

知らなかったあの日の詳細を
淡々と語る康二が別人のようで怖い…

「俺、めめのこと好き過ぎんねん。嫉妬ばっかでめめのこと困らせて、日に日に疲れていくめめのこと、もう見てられんかった。はよ解放せなあかんって、そう思ってん」

「そんなの…」

「見たことある？好きな人が自分のせいで苦しんでんの。あんな顔させるくらいなら別れた方がマシやねん…」

無理して笑った康二の瞳からまた涙がこぼれる…

「だからほんまにお願い…。めめには言わんで！俺、今はほんまにふっかさんが好きやねん！」

俺と佐久間にしがみついて必死に頼む康二に、
どうすれば良いのか分からなかった。

必死過ぎるその言葉はまるで自分に
そうでありますようにと言い聞かせているようで、

まるでふっかのことを好きにならなきゃいけないと
無理しているようで…

そんな康二が可哀想過ぎて何も言えなかった…。

「俺はめめと上手くいってほしいよ…。十分苦しんだじゃん、めめも康二も…」

でもそうなると今度はふっかが苦しむのかと、
佐久間の言葉に一人頭を抱えた。

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