因果応報 (ページ42)

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緑Side

「あ、来た来た」

「入ろっか。」

「え？あ、うん…」

俺らから遅れること数分。

絶対に文句を言ってくると思っていたのに
タクシーから降りてきためめは一言だけ残して
そのままお店に入って行った。

続いて康二もめめの後を付いて行き、
俺たちは外に取り残された。

「ん？」

「まぁ良かったのかな？とりあえず俺らも入ろっか」

佐久間の頭にもハテナマークが浮かんでいたけど
それを無視してお店に入る。

「あ。」

先に入った二人は隣ではなく
向かい合わせの席に座っていて
しまったと後悔した。

「ねぇねぇこぉじぃ～。俺阿部ちゃんの隣座りたいからめめの隣行ってくれない？」

そんな時、佐久間が康二に甘えながら
席を譲ってもらおうとしていて、
こういう時に佐久間のこのキャラは役に立つんだなと感心した。

「俺の隣は嫌ってこと？佐久間くん」

「めめの隣も康二の隣も嬉しいよ？でも今日は阿部ちゃんの隣がい～のっ！」

ちょっと不機嫌なめめに
俺の腕に絡み付きながら答える佐久間。

本心じゃないって分かっているのに
ド○○キしてしまう自分が情けない…。

「まぁえぇけど…。ほんまに佐久間くんは阿部ちゃんが好きやね。ラブラブやん」

「えへへ～。でも康二だってめめとラブラブじゃん！佐久間さん知ってるんだからね！」

そう言うとめめの表情が一気に曇る。

まるで余計なことを言うなとでも言っているような表情で、
それに気付かないふりをして明るく話し続ける佐久間は少し奇妙だった。

「ふっかさんとやろ？何でめめとラブラブやねん(笑)」

「…そうだよ。俺らは普通だから」

笑いながら佐久間につっこむ康二と
無表情で答えるめめの正反対過ぎる表情に
胸が詰まった。

「康二が記憶無くす前はめめと一番仲良かったんだよ？それこそもうラッブラブ！熱々だったんだから～」

「そうなんや。」

まるで興味が無さそうな康二の返事に
めめが顔をしかめる。

佐久間の明るさが今めめを傷付けているってことに
本人は気付いているのだろうか…

「そもそもめめは俺のことそんなにちゃう？ラウとか阿部ちゃんは好きやろうけど」

もぐもぐとお肉を頬張りながら放たれた言葉に
思わず息を飲んだ。

「どうせ俺の一方通行やろ」

そう言った康二の瞳はどこか悲しげに見えた…

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