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白Side


康二くんの明るい声が、
めめをズタズタに傷付けていく…


「もう、別れたよ…」

「へ?」

「別れたの…。」

「え…ご…めん…」


めめの言葉に、
さっきまで楽しそうにしていた
康二くんから笑顔が消えた。

こんな顔させたくないのにね。

めめも、俺たちも…


「もう新しい人と付き合ってるんだ、その人…」

「え…」

「でも仕方ないの。俺の浮気が原因だから。…最低でしょ?」


さっきまでずっと泣いていたくせに、
涙を堪えて笑って見せるめめ。

目は真っ赤だし、
事情を知っている俺たちからすれば
そんな笑顔、偽物だってすぐ分かる。

そんなのが笑顔だって言うのなら、
めめはアイドル向いてないよ…馬鹿。


「最低やね…」

「…っ」

「でもまだ好きなんやろ?謝ればえぇやん」

「…無理だよ」

「チャンスはあるかもしれんやん…」

「じゃあさ…。康二は浮気されたらどうすんの?」


その質問に、胸が苦しくなったのは
きっと俺だけじゃないはず…


「怒る。し、多分逃げちゃうと思う…。」

「うん…」

「でもな…?ちゃんと時間かけて話し合うと思う。一人でたくさん泣いて、ちゃんと時間かけて考えると思う。そしたら多分、俺は好きな人のところに戻る。」

「「…っ」」


その言葉に、
目を見開いたのはめめとふっかさんだった…。


「だって、好きじゃなかったら怒らんやろ?悲しまんやろ?俺は多分、浮気されてもずっとその人のこと嫌いになれへんと思うねんな〜」


へへっと笑うと、康二くんはめめの肩を叩く。


「ちゃんと謝って、ちゃんと好きって言ってやり?」

「……無理だよ」

「めめ!逃げんなっ!!!」


無理だと繰り返すめめに、
康二くんが声を荒げた…


「その程度やったん?それなら好きな人とか言わん方がえぇで。迷惑やわ」

「…っ」

「なぁ、ちゃんと本気で好きなら言わな後悔すんで?」

「あ……」

「めめの好きな人なんやもん。きっと素敵な人やろ?ちゃんと話せば分かってくれるんちゃう?」


そう言ってめめの好きな素敵な人は
穏やかに笑う。

何も知らず、

ただ穏やかに。


「そもそもそんなに好きなら何で浮気なんかするんよー…」

「慰めたかったんだよ…本当は…」


苦しそうなその声を、
俺は何回聞いたんだろう…





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真夏野スピカ(プロフ) - なさん» パス外しました! (2020年12月14日 0時) (レス) id: ee0c14e74e (このIDを非表示/違反報告)
真夏野スピカ(プロフ) - ともぴーさん» パス外しました! (2020年12月14日 0時) (レス) id: ee0c14e74e (このIDを非表示/違反報告)
真夏野スピカ(プロフ) - かおりさん» パス外しました! (2020年12月14日 0時) (レス) id: ee0c14e74e (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 真夏野スピカさん» そうなんですね!更新楽しみにしてます。 (2020年12月13日 20時) (レス) id: 67c533f73c (このIDを非表示/違反報告)
ともぴー(プロフ) - そうでしたか!更新楽しみに待ってます。 (2020年12月13日 19時) (レス) id: e72f97e6fc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:真夏野スピカ | 作成日時:2020年11月10日 22時

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