因果応報 (ページ2)

今日:2 hit、昨日:15 hit、合計:260,927 hit

-2- ページ2

黒Side

「あ…そうなんや…。ごめん…」

「ごめんね康二」

「ううん。阿部ちゃん悪ないやん。謝らんで？」

そう言ってへらへら笑う康二。

本当は傷付いてるくせに。

何で笑うの？

怒る権利なんかないくせに、また康二に腹が立った

「こぉ～じぃ～！」

「佐久間くんっ」

「あはっ、こぉ～じぃ～！」

「ひゃはははっ」

俺らといるのが気まずいのか、佐久間くんたちの方に行くと
それに気づいた佐久間くんが嬉しそうに康二の名前を呼び、
楽しそうに二人でじゃれ始めた。

それを、悲しそうに見つめている阿部ちゃんに胸が苦しくなる…

「あいつっ…！」

「めめ大丈夫だから！康二が好きなのは佐久間じゃなくてめめでしょ？だから大丈夫…」

いよいよ我慢が出来なくなって康二の元へ行こうとしたら
阿部ちゃんに腕を掴まれて止められた。

大丈夫って言ってるくせにその顔は悲しそうで。

そんなの、見てられなかった。

そしてあっという間に収録を終えて
阿部ちゃんと一緒に楽屋から出る。

何か言いたげに俺らを見る康二を無視して…

「…良いの？」

「たまには良いよ」

…たまにはなんて嘘。

嫉妬されるのに疲れて、最近は康二からの誘いを片っ端から断っていたから。

「そっか。」

「うん。じゃあ聞かれたら困るだろうし俺んちくる？」

「良いの？」

「うん。」

そわそわとした瞳が俺を見上げた。

その、明かりに照らされた阿部ちゃんの瞳が綺麗で
少しドキッとした…

「でね？向こうも俺を好きでいてくれてるんじゃないかって思っちゃって…」

「うん」

「勝手に一人で盛り上がって告白しちゃって…」

「うん」

「困らせちゃった、佐久間のこと…。好きなのに…困らせちゃった…っ」

ぽたっぽたっとテーブルの上に落ちていく涙を
静かに目で追う。

だって俺は、何も言えないから…

「めめはさ、どっちから告白したの？聞きたい…」

失恋したばかりの人に話す内容なのかな…と悩んでいると
「聞かせてよ…」とムッとした顔の阿部ちゃんに言われたから
観念して、しかたなく口を開くことにした。

・