#26 偽物 ページ28
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そう話している私達の方へ足音が近づいてくる。
私は物陰から少し顔を出して声をかける。
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A『土門先輩！お久しぶりです。』
土門「！！…Aも来てたのか。」
A『…？？』
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土門先輩。なんか変だ。
まったく目を合わせてくれないし、
すぐに黙り込んでしまう。
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鬼道「イナビカリ修練場のデータはどうした。」
土門「…まだ手に入ってません。」
鬼道「なら何故呼び出した。」
土門「っ鬼道さん！本気なんですか。
いくらなんでもやり過ぎですよ…
移動用のバスに細工するなんて…！！」
鬼道「！？なんだって…」
A『え…それ本当なんですか！？土門先輩！！』
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移動用のバスに細工…
そんなことを帝国はしていたの？
鬼道さんも私もそんなことは
まったく知らなくて
驚きが隠せない。
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土門「！やっぱり…鬼道さんも
知らなかったんですね……
…昨日、冬海がバスのブレーキオイルを
抜いているのを見たんです。
これが帝国のやり方ですか！
総帥はいったい何を考えているんです！？」
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ブレーキオイルを抜く。
完全に事故を起こすためとしか思えない。
でもどうして総帥はそんなことを…？
私達は40年間無敗の帝国学園の選手。
負けるはずがないのに。
………負けるはずがない？
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土門「なんか俺、もう総帥のやり方に
ついていけなくなりました！！
あの人は強引すぎる！！！
そんなにまでして勝ちたいんですか！？！？」
A『……っっ！！！』
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___そんなにまでして、勝ちたいんだ。
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" 敗北は醜いぞ。勝つことにこそ価値がある。"
あの時。
私が共感した、共感してしまった
あの時のあの言葉が
私の頭の中で、総帥の声で再生される。
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あの人は私達のことをまったく見ていなかった。
あの人は私達を見ようとさえしなかった。
あの人は私達の先にある
" 勝利 " しか見ていなかった。
身体がどんどん冷たくなっていくのを感じる。
たくさんの感情が湧き上がってくるのに、
身体は冷えていく。
知りたくなかった。
できれば一生。
こんな真実は受け入れたくない。
受け入れられるわけがない。
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私達が手にしたと思っていた
勝利も強さも
全部、
全部、
全部、
＿＿＿＿＿＿＿＿偽物だったの？
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SHU*K(プロフ) - みかんさん» ありがとうございます＾＾ (2020年5月14日 22時) (
レス) id: 266d15b8d7 (このIDを非表示/違反報告)
みかん - とっても面白いです！！頑張ってください！！ (2020年5月14日 10時) (レス) id: b227610430 (このIDを非表示/違反報告)
紅蘭 - コメ返しありがとうございます！ (2020年5月3日 20時) (レス) id: c9c79794b0 (このIDを非表示/違反報告)
SHU*K(プロフ) - 紅蘭さん» 初めまして。コメント、とても嬉しかったです。面白いと言っていただけるだけで更新が頑張れます。紅蘭さんもどうかお身体には気をつけて、ゴールデンウィークを過ごしてくださいね＾＾ (2020年5月2日 17時) (レス) id: 266d15b8d7 (このIDを非表示/違反報告)
紅蘭 - とっても面白いです！最近ではコロナウイルスが流行っていますが、お体に気を付けて更新頑張ってくださいね！ (2020年5月2日 17時) (レス) id: c9c79794b0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：SHU*K | 作成日時：2020年4月24日 11時
