#17 信条 ページ19
.
今日も必殺技はできるようにならなかった。
何が足りないのかがわからなくて、
もうずっと足踏み状態だ。
.
A『……いないか。』
.
なんとなく雷門の様子を見にきたら
グラウンドにも河川敷にもいなかった。
御影専農の偵察隊のせいかな、と
思いながら足を進める。
.
A『あ、あの髪…』
.
ふと顔を上げると前方に青。
私は思わずその青に駆け寄る。
.
A『風丸さん！！』
.
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
風丸side
『風丸さん！！』
イナビカリ修練場での特訓が終わり
帰宅する途中、後ろから声をかけられた。
俺が振り向くと
.
風丸「明星！」
.
いつものミルクティー色の髪を揺らしながら
こちらへ駆け寄る明星を見て足を止める。
明星を俺を見ると、少し驚いた顔をして
それから笑った。
.
A『随分傷だらけですね、風丸さん。
御影専農の偵察隊からはちゃんと隠れて
練習できているみたいで安心しました。』
風丸「え、御影専農のこと知ってるのか？」
A『もちろんですよ！
彼らはいろいろと厄介ですから。』
.
そう答えて渋い顔をする明星。
よく見ると彼女の腕も足も
俺みたいに擦り傷や切り傷があった。
.
風丸「明星、その傷どうしたんだ？」
A『あー…これは新しい必殺技を
身に付けるために練習してて。』
風丸「……帝国の選手でもそんなに
傷をつくるほど練習するんだな。」
.
思わず純粋な感想が出てしまう。
明星はそれを聞くと苦笑いを浮かべる。
.
A『たとえ無敗の帝国の選手だとしても
傷くらいはもちろん作りますよ。』
風丸「………明星はどうして
帝国でサッカーを？」
A『！……………』
.
俺がそう聞くと、明星は黙り込んでしまった。
返答を急かさずに待っていると、
明星は重い口を開いた。
.
A『……強くあるためです。』
風丸「強く…あるため？」
A『はい。』
.
" 強くなる " ではなく " 強くある "
明星はそして告げる。
.
A『私にとって、強さは全てなんです。
そうでないといけない……
帝国には誰にも負けない強さがある。
つねに強くあるんです。
私が帝国のサッカーにこだわるのは…
それだけです。』
風丸「…………」
.
今度は俺が口を閉じる番だった。
明星の真剣な目を見ると、
もう何も言えなかった。
.
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 39人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
SHU*K(プロフ) - みかんさん» ありがとうございます＾＾ (2020年5月14日 22時) (
レス) id: 266d15b8d7 (このIDを非表示/違反報告)
みかん - とっても面白いです！！頑張ってください！！ (2020年5月14日 10時) (レス) id: b227610430 (このIDを非表示/違反報告)
紅蘭 - コメ返しありがとうございます！ (2020年5月3日 20時) (レス) id: c9c79794b0 (このIDを非表示/違反報告)
SHU*K(プロフ) - 紅蘭さん» 初めまして。コメント、とても嬉しかったです。面白いと言っていただけるだけで更新が頑張れます。紅蘭さんもどうかお身体には気をつけて、ゴールデンウィークを過ごしてくださいね＾＾ (2020年5月2日 17時) (レス) id: 266d15b8d7 (このIDを非表示/違反報告)
紅蘭 - とっても面白いです！最近ではコロナウイルスが流行っていますが、お体に気を付けて更新頑張ってくださいね！ (2020年5月2日 17時) (レス) id: c9c79794b0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：SHU*K | 作成日時：2020年4月24日 11時
