14人姉弟の長女② (ページ36)

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しばらく涙が止まらなくて何も話さなかったんだけど、その間もAヌナはずっとベットに伏せている俺の頭を優しく撫でてくれた。

JH「なんで言わなかったの、なんで痛いって…辛いって教えてくれなかったんだよ。無理しないでっていつも言ってたじゃん…」

「ごめん、私鈍感だからさ。こんなことになるって思わなかったんだよ」

違う、Aヌナに謝って欲しかったんじゃない…

JH「俺も…ごめん。気づかなくってごめん。あんなにAヌナの側にいたのに。ヌナが辛い思いしてたのに…」

ヌナの胃に穴が開くくらい追い詰められていたのに、何もできなかった自分がもどかしかった。

悔しくて、仕方がない。

Aヌナのことを守るって決めていたのに…

「あのね、みんなのせいじゃない。
私はハードスケジュールも、アンチのことも、サセンのことも、自分なら乗り越えられると思った。
体調も薬を飲み続ければ、痛みは治るって。
だから、皆んなにも相談しなかった。大丈夫だと思ったから。
それに、自分でもいっぱいいっぱいで、悩みの吐き出し方が全く分からなかった。

みんな私みたく仕事で精一杯だったんだよ。
気づかなくて当たり前。」

それじゃあ、ヌナが倒れたのは仕方がなかったみたいじゃないか…

腑に落ちなくて黙っているとポンポンしてくれていた手が止まって、思わず顔を上げる。

「しばらく一緒に活動できないけど、日本でしっかり治療して、パワーアップして帰ってくるから。
待ってて？

みんなのこと応援してるから。

私がいないからって、いつまでもくよくよしてたらダメだからね？わかった？」

JH「うん…」

Aヌナはやっぱり長女だ。

俺たちよりも強い。

「誰と喧嘩したか知らないけど、ちゃんと話し合ってね。後、ご飯をちゃんと食べること」

JH「なんで、喧嘩したってわかるの…」

「なんでだろ、ヌナの勘かな～」

JH「こわっ。Aヌナも約束して、毎日連絡して。後、絶対帰ってきてね」

「うん、約束する」

にっこり俺の大好きな笑顔で笑うAヌナを、思いっきり抱きしめた。

何日間も冷たかった俺の身体が、身体の芯から暖かくなった気がした。